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三山凌輝、「愛の不時着」でミュージカル初挑戦 「これまでのパフォーマンスの集大成でもある」【インタビュー】

 元BE:FIRSTのメンバーで、朝の連続テレビ小説「虎に翼」でヒロインの弟役を演じて話題を集めた三山凌輝が、ミュージカル「愛の不時着」でミュージカル初主演を果たす。韓国の財閥令嬢と朝鮮人民軍軍人の国境を超えた愛を描いた本作は、2019年から2020年に放送されたドラマで、世界的ヒットを記録。その後、2022年に韓国でミュージカル化され、日本では、2024年に初演、再演された。さらに宝塚歌劇団でも上演された。今回は、韓国のクリエーター陣とともに作り上げる、初の日本人キャスト版となる。三山にミュージカル挑戦への思いや本作への意気込み、さらには俳優として見据える未来について聞いた。

三山凌輝 【ヘアメーク:西村裕司(earch)/スタイリスト:福永桃乃華(YKP)】 (C)エンタメOVO

-本作がミュージカル初挑戦になりますが、ミュージカルにはもともと興味があったのですか。

 具体的にこの作品に出演したいと考えていたわけではありませんが、興味はありました。表現者としてお芝居や音楽といった表現方法をかけ合わせたものがミュージカルなのではないかとも感じていたので、自分の中では気になっていた分野でもありましたし、こうしてお声がけをいただき、すごくうれしかったです。

-そうすると、今回のオファーを受けてすぐに出演を決めたのですね。

 そうですね。特に今回は、「愛の不時着」という作品だったことも大きかったです。僕自身、コロナ禍で自宅にいるときに初めて(本作の)ドラマを見たのですが、すごく支えられた作品の一つでした。韓国ドラマを見始めるきっかけになった作品でもあります。そんな作品から、巡り巡って自分にオファーをいただけたことに、不思議なご縁を感じますし、面白いなと思います。

-原作となるドラマを見た感想を教えてください。

 面白い着目点の作品だなと思いました。フラットな気持ちで見ると、結構シビアな物語だと思うんです。北朝鮮と韓国という二つの国を背景にした話は簡単に紡げませんし、その中でラブストーリーを展開し、かっこいい場面もシリアスなシーンも盛り込んで、絶妙なバランスで物語を成立させていたるところがヒットにつながったのかなと思いました。

-三山さんが演じるリ・ジョンヒョクという役柄についてはどのように感じましたか。

 コロナ禍で最初に見たときは、クールな人物だと思っていました。でも、出演が決まって久々に見返したら、クールなだけでなく、チャーミングなところもたくさんあって、奥行きがあって、かわいらしい人だなと感じました。そうしたギャップが、みんなから好かれるところなのかなと思いました。

-そうしたキャラクターにシンパシーを感じるところもありますか。

 そうですね。韓国は徴兵制度がありますし、北朝鮮は軍隊の規律が厳しいイメージがありますが、僕自身も周りからストイックだと言われることが多いので、そういう意味では似ているところはあるのかなと思います。僕は、自分の思い描くものに対して納得がいくまで挑むタイプなので。

-この作品に限らず、役作りをする際にどのように役を構築していくのですか。

 原作のある作品とオリジナル作品では、役の作り方も全く違うので、その作品ごとに変わります。今回は、トーンや作品の世界観は原作にのっとるというのが大前提だと思います。その上で、自分がリ・ジョンヒョクだったらどう生きるのかを想像しながら作っていきます。もちろん、モノマネではないので、原作への敬意を持ちながら、自分にしか出せない魅力も加えていけたらと考えています。

-三山さんは俳優業だけではなく、アーティストとしての活動や実業家としての活動など、さまざまな顔をお持ちですが、その中で、芝居や俳優業というのはどのような存在ですか。

 自分が世に出ていくにあたっての、原点でもあると思います。表現者として、僕でしか出せない唯一無二のものがきっとあると思いますが、その一部を形にしているのが、役者としての自分なのかなと思っています。

-三山さんが芸能界を目指したのは、もともとはお芝居がしたいという思いからだったのですか。

 結果的にはそうなりました。もともとは小学生の頃に、「テレビに出てキャーキャー言われる人になりたい」と思っていたのが最初です。歌うことも動くことも好きでしたし、好きなアーティストの歌を、風呂場で歌って踊ることもよくしていたんですよ。きっと、当時から表現することが好きだったんだと思います。

 それで、どうしたらいいんだろうと考えて、右も左も分からないまま、とにかく事務所に入りました。入ってみたら、その事務所は役者中心の事務所だったんです。そこで演技のレッスンを受けるようになって。それまでお芝居をしたことはなかったですが、実際にやってみたら、自分の中でできないことだらけでした。お芝居は正解が全く分からないからこそ、悔しかったんだと思います。納得するまでやってみようと思いましたし、分からないからこその面白さを感じたことが、お芝居に本気で向き合った最初の出来事だったと思います。このお仕事は、人とのつながりもすごく大切ですが、僕は人とつながることも好きなので、きっと本能的に「この仕事がしたい」と思ったのだと思います。

-では、今、三山さんが思い描いている夢や目標は?

 それは僕の人生においてですか? 壮大な話になりますよ(笑)。(それを語るには)何時間もかかります(笑)。

-時間も限られているので(笑)、今回は、俳優としての夢を聞かせてください。

 分かりました(笑)。俳優としては、本当にありがたいことに、早くからお芝居の世界に関わらせていただき、出会う方々や作品に恵まれてきたと感じています。今は、さまざまな形のエンタメで溢れかえっていますが、そうした中でも僕は、社会性や人間の本質を描いた、有意義な作品に出演させていただく機会が多い。それは本当にすてきなことだなと思っています。

 監督や演出家の方など、クリエーターの方々がとても丁寧に、熱心に取り組んでいる作品に出演させていただくことで、届けられるものがあると思うので、そうしたところで僕自身の存在感を高めていけたらと思っています。

-最後に、公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

 とてもすてきなドラマがミュージカルとなり、そこに自分が立たせていただけることをとてもありがたく、貴重な機会だと感じています。僕自身がこれまで行ってきたパフォーマンスの集大成でもあると思います。多くの方に見ていただきたい作品です。原作をご存知の方も、まだご覧になったことがない方も、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 ミュージカル「愛の不時着」は、7月12日(日)~26日(日)に都内・THEATER MILANO-Za、7月31日(金)~8月2日(日)に東京建物Brillia HALL 箕面で上演。