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民間の力、子育て支援に スキマバイトや見守りで 地域との接点広げる

 子育て・少子化対策でも、民間の力を生かす官民連携が各地で進んでいることが、株式会社共同通信社の全国調査で10日、分かった。回答した817自治体のうち、連携相手として企業を挙げたのは267(地元企業138、地域外企業129)あり、非営利団体(NPO・公益法人)も141あった。仕事探しや見守りのサービスを地域に広げたり、企業や団体から提供された物資を家庭に届けて支援につなげたりするなど、民間の力を子どもや家庭への支援に生かす動きが目立った。

 子育て・少子化対策の課題をみると、「人員不足・専門人材の確保難」を挙げた自治体は351で最も多く、「支援対象の把握と早期支援の難しさ」も53あった。こうした課題を抱える中、企業やNPOなど民間が持つサービスや専門性、地域との接点をどう生かすかが官民連携の焦点になっている。

◆1日から働く

 沖縄県宜野湾市が子育て支援に取り入れたのは、1日単位など短時間で働く「スキマバイト」だった。家事や育児で働ける時間が限られるひとり親にとって、最初から固定した勤務時間で働き続けることが難しい場合もある。

 そこで市は2026年1月、スキマバイトサービスのタイミー(東京都港区)と、人材派遣などを手がける沖縄セルラーみらいクリエイト(那覇市)のそれぞれと連携協定を結んだ。タイミーのサービスで1日単位の仕事から就労を始め、みらいクリエイトが長期雇用への橋渡しを担う。一般の求職者向けにつくられた民間の就労サービスを、ひとり親の自立支援の入り口として使う考え方だ。

 市はさらに、ひとり親の雇用に理解のある企業を「ひとり親家庭等応援企業」として登録している。行政が間に入ることで、1日単位の仕事から継続就労につなげる狙いだ。

 ◆街ごと見守る

 企業のサービスを子育て支援に生かす動きは、子どもの安全にも広がる。岐阜市は2025年10月、見守りサービスのotta(福岡市)などと協定を結び、26年4月から市内全域でサービスを展開。希望する児童には小型の見守り端末を無償で配っている。

 端末は、通学路や店舗、公民館など計約900カ所への設置を目指す見守りスポットのほか、ottaと連携するタクシー会社の車両や、専用アプリを入れた住民のスマートフォンとすれ違うことで時刻や位置を記録する。店舗、車、人という街の日常の動きが、子どもを見守る網になる。

 防犯のために人員や施設を一から用意するのではない。人の目だけに頼らず、企業の技術と地域の協力を重ね、子どもを面的に見守る仕組みだ。

◆企業やNPOが接点に

 調査に対し、秋田県のある自治体は「支援が必要でも相談できない家庭があり地域の中で孤立しているケースがある」と明かした。こうした家庭を行政の窓口だけで把握するのは、なるほど難しい。そこで、企業やNPO法人などと連携し、物資の提供や地域での活動を家庭との接点に変え、必要な支援につなげようとする自治体も登場している。

 群馬県前橋市は、物価高の影響を受けるひとり親家庭などに、企業や団体から寄せられた食品や日用品を無償で届ける「こどもフードパントリー事業」を実施している。事業を始めた2023年度は3回、延べ2157世帯に配付した。26年度も年6回を予定し、7月には676世帯に届けている。

 特徴は、物資を届けて終わりにしないことだ。宅配の機会に相談窓口や利用できる支援制度を案内し、必要な支援につなげる。企業や団体から寄せられた物資を、家計支援だけでなく、家庭の孤立を防ぐきっかけにもしている。

(株式会社共同通信社 垂見和磨)