紀伊國屋書店(東京都目黒区)はこのほど、「紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30」を発表した。1位は高島鈴「布団の中から蜂起せよ アナ-カ・フェミニズムのための断章」(人文書院)。
紀伊國屋じんぶん大賞は「読者と共に優れた人文書を紹介し、魅力ある書店空間」を作ることが目的で、今年は13回目。ベスト30は、一般読者のアンケートに紀伊國屋書店社員の推薦を加味し選定した。
選定対象は、2021年11月以降に刊行された人文書(哲学・思想、心理、宗教、歴史、社会、教育学、批評・評論のジャンルに該当する書籍。文庫・新書も可)。読者アンケートは22年11月に募った。
2位以下は次の通り。
2位=三木那由他「言葉の展望台」(講談社)▽3位=千葉雅也「現代思想入門」(講談社)▽4位=ショーン・フェイ/高井ゆと里(訳)「トランスジェンダ-問題 議論は正義のために」(明石書店)▽5位=吉川浩満「哲学の門前」( 紀伊國屋書店)▽6位=児玉聡「オックスフォ-ド哲学者奇行」(明石書店)▽7位=林志弦/澤田克己(訳)「犠牲者意識ナショナリズム国境を超える『記憶』の戦争」(東洋経済新報社)▽8位=大澤絢子『修養』「の日本近代 自分磨きの150年をたどる」(NHK出版)▽9位=荒井裕樹「凜として灯る」(現代書館)▽10位=ユク・ホイ/伊勢康平(訳)「中国における技術への問い 宇宙技芸試論」(ゲンロン)▽11位=柄谷行人「力と交換様式」(岩波書店)▽12位=藤原辰史「植物考」(生きのびるブックス)▽13位=井上太一「動物倫理の最前線 批判的動物研究とは何か」(人文書院)▽14位=米田翼 「生ける物質 アンリ・ベルクソンと生命個体化の思想」(青土社)▽15位=キャロル・ギリガン/川本隆史・山辺恵理子・米典子(訳)「もうひとつの声で 心理学の理論とケアの倫理」(風行社)▽16位=石井美保「遠い声をさがして 学校事故をめぐる〈同行者〉たちの記録」(岩波書店)▽17位=大尾侑子「地下出版のメディア史 エロ・グロ、珍書屋、教養主義」(慶應義塾大学出版会)▽18位=今村治華「ジ-ファ-の記憶 沖縄の簪と職人たち」(南方新社)▽19位=磯野真穂「他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学」(集英社)▽20位=岩川ありさ「物語とトラウマ クィア・フェミニズム批評の可能性」(青土社)▽21位=柿沼陽平「古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで」(中央公論新社)▽22位=國分功一郎 「スピノザ 読む人の肖像」(岩波書店)▽23位=鮎川ぱて「東京大学『ボ-カロイド音楽論』講義」(文藝春秋)▽24位=米本浩二「水俣病闘争史」(河出書房新社)▽25位=杉田俊介「橋川文三とその浪曼」(河出書房新社)▽26位=村中直人「〈叱る依存〉がとまらない」(紀伊國屋書店)▽27位=鷲見洋一「編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森」(平凡社)▽28位=ロバート・コルカー/柴田裕之(訳)「統合失調症の一族 遺伝か、環境か」(早川書房)▽29位=ベンジャミン・クリッツァ-「21世紀の道徳 学問、功利主義、ジェンダ-、幸福を考える」(晶文社)▽30位=平井靖史「世界は時間でできている ベルクソン時間哲学入門」(青土社)。