紀伊國屋書店(東京都目黒区)、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(東京都渋谷区)、日本出版販売(東京都千代田区)の3社は2023年10月2日、書店、出版社間の直接取引契約の締結を目指し、共同出資会社「ブックセラーズ&カンパニー」(東京都新宿区、宮城剛高・代表取締役社長)を設立した。インターネット通販による出版流通が広がる中、ブックセラーズ&カンパニーは“書店主導の出版流通改革”に取り組み、「街に書店が在り続け、より多くの人々が読書習慣を育み、本を通じた知や文化との接点を持ち続ける豊かな未来を、書店自らの手で切り開いていく」としている。
ブックセラーズ&カンパニーは、書店と出版社が仕入数を決定する「新たな直仕入スキーム」を実現する、書店と出版社間の直接取引契約の締結を目指し、書店側の“代表”として各出版社と交渉を行うほか、直接取引契約を締結した出版社商品の仕入業務も担う。3社のシステムや販売データ、書店員のノウハウなどを生かし「販売機会の喪失を最小化する適正仕入」を実現する、としている。また書店での購入者・購入数の増加を目指し、販売促進企画の共同実施や書店共通アプリの開発など“書店横断型サービス”の展開にも取り組む。
社名は、書店や本を売る人を意味する英単語の複数形「ブックセラーズ」と、仲間も意味する「カンパニー」を組み合わせた。「読者、出版社、取次、著訳者、クリエイター、全国の書店など」と共に歩んでいきたいという3社の思いを込めた、という。
ブックセラーズ&カンパニーの資本金は5千万円。3社の出資比率は紀伊國屋書店40%、カルチュア・コンビニエンス・クラブ30%、日本出版販売30%。代表取締役会長には高井昌史・紀伊國屋書店代表取締役会長兼社長、代表取締役社長には宮城剛高(よしたか)紀伊國屋書店経営戦略室長がそれぞれ就任した。オフィスは東京都品川区のビジネスエアポート目黒に構える。