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アバレンジャーが20周年で奇跡の復活!「5人の雄姿を、映画館で目に焼き付けてください!」西興一朗、富田翔、阿部薫、田中幸太朗 『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』【インタビュー】

 2003~04年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第27弾「爆竜戦隊アバレンジャー」が、20周年を迎え、『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』として奇跡の復活! 元気いっぱいの「アバレ」精神と「ダイノガッツ」で、冷え切った令和日本に再び旋風を巻き起こす! 9月1日からの公開を控え、アバレンジャーのメンバーを演じた西興一朗(アバレッド/伯亜凌駕)、富田翔(アバレブルー/三条幸人)、阿部薫(アバレブラック/アスカ)、田中幸太朗(アバレキラー/仲代壬琴)に、作品に対する思いを聞いた。

(左から)阿部薫、富田翔、西興一朗、田中幸太朗(C)エンタメOVO

-20年ぶりの続篇となる本作では、アバレンジャー5人が再集結しました。撮影現場で5人そろったときのお気持ちは?

西 やっぱり、感動しました。阿部くんなんて、泣いてましたから。

阿部 まさかもう一度、5人がそろうとは思ってなかったですから。

富田 年は重ねたけど、劇中の衣装を着てみんなと会ったら、自然と当時の関係に戻れて。

西 やっぱり、1年やっていた重みを感じたよね。20年ぶりだから、役づくりに苦労するかと思ったけど、衣装を着てみんなに会ったら、「凌駕になれる!」という不思議な感覚になって。体に染み付いているんだなって。

-他の4人と終盤まで敵対していたアバレキラー役の田中さんは当時、「最後まで仲間にならない方がよかった」とおっしゃっていましたね。

田中 そうですね。でも、今になってみると、仲間になって本当によかったと思います。その方が絶対、子どもたちは喜びますから。当時は子どもたちのことより、自分主体だった気がします。

西 当時は僕らも一生懸命で、お客さんのことまで考える余裕がなかったからね。

-芸能界を引退されたアバレイエロー/樹らんる役のいとうあいこさんの出演はうれしい驚きでした。

西 あいこには、みっちゃん(西島未智/三条笑里役)が連絡を取ってくれました。出てくれて本当にありがたかったです。仮に僕が引退していたら、出なかったかもしれないな、と思いますから。

阿部 でも、あいこがそろわなかったら、できなかった。

富田 それは全員について言えるよ。

田中 一人でも欠けたら、アバレンジャーになりませんからね。

©2023 東映ビデオ・バンダイ・東映 AG ・東映
©東映

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©東映

-今回の作品が実現する上で、ファンの声援をどう受け止めましたか。

西 もちろん、ファンの支持がなければ、実現できなかったことです。

富田 でも、すごく不安だったよね、去年の東京国際映画祭の20周年トークイベントで製作発表したとき。久々に集まったのはいいけど、「ファンの方たちがどれだけ来てくれるのか?」、「話題になるのか?」って。でもそこで初めて、お客さんの熱を知って。

西 ありがたかったよね。立ち見もたくさんいたし…。正直、泣きそうになったけど、阿部くんが泣いてたから(笑)。

阿部 応募の倍率が3倍もあったそうですから。すごく勇気をもらいました。

田中 「当時見てた人!」と聞いたら、一斉に手を挙げてくれて。スーパー戦隊ってすごいなと、改めて作品のパワーを感じました。当時はそのすごさとか、出演できるありがたさがわかってなかったですから。

阿部 スーパー戦隊は、“若手俳優の登竜門”といわれてますけど、僕が子どもの頃に好きだったヒーローの方が、何年経ってもヒーローをやってくれていると、やっぱりうれしいんです。同じようにファンの方が、僕らに向けて「僕らにとってのヒーローです」と20年経っても言ってくれると、感動しますよね。

-作品を拝見して、皆さんのたたずまいから20年の厚みを感じました。その点、当時番組を見ていた世代に響くだけではなく、その親世代が見ても、自分たちの歩みを振り返って、感慨深い気持ちになれそうですね。

西 いろんなことがあった激動の20年ですからね。

富田 お父さん、お母さん世代には、当時、必死に働き、子どもたちをアバレンジャーショーに連れて行った方も多いと思うんです。お子さんが成人した今、改めてこの作品を見ると、きっと当時のことを思い出すはずなので、そういう方たちにも、ぜひ見てほしいですね。

阿部 そういう意味では、ちょっとタイムカプセル感あるよね。これを見ることで、20年前の自分に戻る感覚になって。

田中 その上で、当時より僕らも作品も、だいぶパワーアップしていますから。僕は今回、当時できなかったことをぶつけたつもりですし、アバレンジャーが完全に上位互換になった気がしています。スーパー戦隊のすばらしさも改めて感じたので、今後もチャンスがあれば、ぜひまた挑戦したいです。

阿部 若い人ばかりがヒーローを演じるのは、ヒーローを小さい枠に閉じ込める気がして、ちょっともったいないよね。現実でも、自分の父親や祖父がヒーローだと感じることもあるので、還暦で変身する人が出てきてもいいんじゃないかな。

一同 そうだね。

(C)エンタメOVO

-「アバレ」や「ダイノガッツ」というワードに象徴されるアバレンジャーの基本精神は本作でも健在です。全編にちりばめられたギャグも含め、その元気のよさは、放送当時よりも今の方が世の中に求められている気がします。

西 それが伝わったとしたら、大成功です。それが今回、僕らのやりたかったことなので。

富田 そこがスタートだったからね。コロナ禍で沈んだ世の中を元気づけたいっていう。

-そういう意味では、色々な愛が詰まった作品ですね。

西 愛しか詰まってません(笑)。

-その点、メインキャストが勢ぞろいする中、亡くなられた奥村公延さん演じる“介さん”こと杉下竜之介も、劇中では健在で「不在」となっていることにも愛を感じます。

西 介さんの扱いをどうするのか、だいぶ悩みました。亡くなったことにする案もあったんです。でも、結果的にああいう形になって。やっぱりアバレンジャーのメンバーですから、どんな形であれ、出ていただけたことは良かったです。

富田 すごくうれしかった。

阿部 劇中で奥村さんの写真を見た瞬間、泣きそうで…。何気なくタブレット開いたら、写真貼ってあるんだもの。あれはずるいですよ。

田中 今考えると、当時は大ベテランの方がこんな生意気な若造たちと一緒で、腹の立つこともあったと思うんです。でも、すごく優しくて。奥村さんの存在は、ありがたかったです。

西 いつもニコニコしていたからね。あんな先輩にならなきゃいけないと思うよ。

-それでは最後に、公開を楽しみに待つファンへのメッセージを。

田中 ファンの皆さんはもちろんですが、スーパー戦隊やアバレンジャーを知らない方たちも、だまされたと思ってぜひ劇場に足を運んでください。絶対に面白いし、笑えるし、感動できると思います。後悔はさせません。

富田 その上で、「面白かった」でも「期待外れだった」でもいいから、感想をSNSで拡散してもらえたらうれしいね。

阿部 「アバレンジャー」を20年ぶりに観られるだけでも奇跡ですが、その上、大きなスクリーンで上映できる奇跡が重なり、すごい奇跡が起きました。翔くんの言うように、ご覧になった後はSNSで感想を共有し、“アバレの絆”を、ぜひファンの皆様も体感し、楽しんでいただけたらうれしいです。

西 いろんな奇跡が詰まった作品です。エンタメ映画として気楽な気持ちでご覧いただければ、きっと感動できるはずです。5人そろったアバレンジャー最後の雄姿を、ぜひ映画館で目に焼き付けてください。

(取材・文・写真/井上健一)

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(配給:東映ビデオ)