青少年の“志”を応援する「ボランティア・スピリット・アワード」 高松で中国・四国ブロック表彰式

壇上に勢ぞろいした受賞者たち。
壇上に勢ぞろいした受賞者たち。

 中高生ら青少年の社会貢献活動を応援する「第21回ボランティア・スピリット・アワード」の中国・四国ブロック表彰式(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命など主催)が11月5日、高松市内で開かれ、9県の22団体と3人に「ブロック賞」と「コミュニティ賞」が贈られた。受賞者をはじめ関係者ら300人が盛大な拍手で各受賞者の日ごろの努力をたたえた。

 12月開催の「全国表彰式」に出場できるブロック賞には、岡山県立倉敷天城中2年の藤田紗矢(ふじた・さや)さん(14)、島根県立津和野高校2年の鈴木元太(すずき・げんた)さん(17)の2人と、島根県立平田高校JRC部、広島県立瀬戸田高校しまおこし事業部、愛媛県立伊予農業高校・伊予農希少植物群保全プロジェクトチーム、徳島県立徳島商業高校・校内模擬会社ComComの4団体が輝いた。

ジブラルタ生命高松支社の吉良幸穂支社長から表彰状を受け取る藤田紗矢さん(右)。
ジブラルタ生命高松支社の吉良幸穂支社長から表彰状を受け取る藤田紗矢さん(右)。
第18回米国ボランティア親善大使の櫛部紗永さんから、受賞メダルを首に掛けてもらう鈴木さん(右)。
第18回米国ボランティア親善大使の櫛部紗永さんから、受賞メダルを首に掛けてもらう鈴木さん(右)。

 小学生向け科学実験教室の“先生役”として年間35回、子どもたちに科学の面白さを伝える“ボランティア授業”を続けている藤田さんは「日ごろの活動が認められて、とてもうれしい。教えるのはとても難しいけど、やさしい言葉を使って身振りも交え、模型を使ったりして工夫している。だから子どもたちが分かってくれたときは本当にうれしい 。今回の受賞を励みに今後も頑張っていきたい」と笑顔で話した。

 鈴木さんは、竹で作った飯ごうでカレーを食べる地域イベントなどを開催、竹を生かした町おこしに取り組んでいる。「受賞は大変うれしい。16歳で島根に(引っ越して)来たときは誰も知らなかったが、竹を通して色々な人と知り合えた。すぐ成長するなど竹には面白い特徴がある。荒廃している竹林を継続的に管理する仕組みをつくり、地域を元気にする“資源”として竹を賢く活用していきたい」と今後の展開に意欲を見せた。

「島に遊びに来てください」と呼び掛ける、広島県立瀬戸田高しまおこし事業部の男性(左)。
「島に遊びに来てください」と呼び掛ける、広島県立瀬戸田高しまおこし事業部の男性(左)。

 平田高JRC部は、東日本大震災で防災活動の重要性を知り、災害時に使うスリッパを新聞紙で作る訓練など実践的で役に立つ防災活動の啓発に取り組んでいる。瀬戸田高しまおこし事業部は、島の魅力を国内外に発信する観光冊子「巡り人」の日本語版、英語版を作成、配布するなど“島愛”にあふれた熱心な活動を続けている。

受賞の喜びを語る島根県立平田高JRC部のメンバー(中央2人)。
受賞の喜びを語る島根県立平田高JRC部のメンバー(中央2人)。

 伊予農希少植物群保全プロジェクトチームは、地元農家の役に立ちたいとの思いから、ドローンに搭載した近赤外線カメラで水田の状況を観察し収集データを効率的な肥料の使用につなげる手法を開発した。徳島商の校内模擬会社ComComは、カンボジアの高校生と一緒にアイスクリームの新商品作りに取り組むなど、商品開発の楽しさをカンボジア人の同世代に伝えている。

活動内容を説明する愛媛県立伊予農業高・伊予農希少植物群保全プロジェクトチームの女性(左)。
活動内容を説明する愛媛県立伊予農業高・伊予農希少植物群保全プロジェクトチームの女性(左)。
受賞を喜ぶ徳島県立徳島商高・校内模擬会社ComComの女性(左)。
受賞を喜ぶ徳島県立徳島商高・校内模擬会社ComComの女性(左)。

 コミュニティ賞は 、瀬戸内海・大島の国立ハンセン病療養所の未来を描く動画を制作した香川県善通寺市立西中学校 善通寺東西中学校ボランティアクラブやシリア難民を支援している徳島県のボランティアグループ「AQUA」(アクア)ら18団体と個人1人が選ばれた。

 式後は、受賞者同士の親ぼくを深める交流会も開かれ、お互いの夢を語り合うなど次の目標に向け意欲を新たにしていた。 ボランティア・スピリット・アワードは12歳から18歳までの青少年が積極的にボランティアに取り組む環境をつくる狙いで1997年から毎年開催。今回で21回目。全国から1万9,972人、1,229通の応募があり、全国を7つのブロックに分けて、ブロック賞計40組、コミュニティ賞計150組の各受賞者を決めた。

 大阪市内で12月16日に開催される「全国表彰式」で、ブロック賞受賞者の中から、文部科学大臣賞2組と米国ボランティア親善大使2組、スピリット・オブ・コミュニティ奨励賞8組が選ばれる。米国ボランティア親善大使の受賞者は、2018年5月に米国ワシントンで開かれる全米表彰式に派遣される。

◆第21回ボランティア・スピリット賞 受賞者一覧
中国・四国ブロック
ブロック賞 岡山県 岡山県立倉敷天城中学校 藤田 紗矢さん
島根県 島根県立津和野高等学校 鈴木 元太さん
島根県 島根県立平田高等学校 JRC部
広島県 広島県立瀬戸田高等学校 しまおこし事業部
愛媛県 愛媛県立伊予農業高等学校 伊予農希少植物群保全プロジェクトチーム
徳島県 徳島県立徳島商業高等学校 校内模擬会社ComCom
コミュニティ賞 岡山県 岡山市立富山中学校
岡山県 倉敷市立精思高等学校 商業クラブ
岡山県 山陽女子中学校・高等学校 地歴部
岡山県 玉野市立玉野商業高等学校 UNOICHI実行委員会
岡山県 室山 雅さん
島根県 出雲西高等学校 インターアクトクラブ
広島県 尾道市立久保中学校
広島県 崇徳学園 崇徳中学校・高等学校 インターアクトクラブ
山口県 山口県立柳井商工高等学校 まちづくりプロジェクトチーム
香川県 香川県立観音寺総合高等学校 食物系列 3年5組
香川県 香川県立琴平高等学校 とらすとK
香川県 香川県立三木高等学校 英会話部
香川県 善通寺市立西中学校 善通寺東西中学校ボランティアクラブ
愛媛県 東温市立重信中学校 T-ボラン
徳島県 AQUA
徳島県 鳴門市立鳴門市第一中学校 ボランティア部
徳島県 緑のリサイクルソーシャルエコプロジェクトチーム
高知県 高知県立中村高等学校西土佐分校 永山 しなのさん
高知県 高知市立横浜中学校 生徒会