旬を迎える食材が増え、調理が楽しい季節になってきた。でも、忙しい合間の片づけや掃除は大変。“時短家事”を工夫する人も多いが、日々の掃除を怠って汚れを放置したり、掃除の時短術を誤ったりすると火災を発生させる恐れがあるとして、製品評価技術基盤機構(東京)が注意を呼び掛けている。
2018年度から2022年度に同機構に通知のあった製品事故情報では、ガスコンロの事故は合計195件で、半数以上が使用者の誤使用、不注意によるものだったという。特に多いのが汚れの放置や誤った掃除の時短術による事故。例えば、アルミはくの使用。鶏皮などの脂の多い食材をグリルで調理する際に、汚れを防ぐためにグリル焼網の上にアルミはくを敷いてしまうと、その上にたまった脂にグリルの火が引火する恐れがある。
調理工程は省けても調理後の掃除を省くのは危険。汚れを防いで掃除時間を短縮する際も、取扱説明書で禁止されている行為ではないかを確認することが大切だ。ガスコンロの事故を防ぐためのポイントは、①煮こぼれが生じた場合はきれいに拭き取る②グリル使用後はこまめに掃除する③グリルの使用時や使用後は、点火・消火の確認をする④掃除時間を短縮するために、取扱説明書で禁止されている行為をしない―の4つ。安全においしい食欲の秋を。