芸術の秋でなくても、アルフォンス・ミュシャの作品ならどこまでも足を運ぶというファンは多い。19世紀末のヨーロッパで流行したアール・ヌーボーの代表的な画家・デザイナーとして時代を超えて愛されているミュシャの特別展が、10月21日~12月3日まで、宮崎県都城市の市立美術館で開催される。
ミュシャ作品の世界的コレクターである尾形寿行氏の「OGATAコレクション」を中心に、珠玉の作品約500点を紹介する。画家を志し、パリで挿絵の仕事をしながら生計を立てていたミュシャに転機が訪れたのは、34 歳の時。急きょ引き受けた大女優サラ・ベルナールの公演ポスター「ジスモンダ」が大評判となる。50歳で祖国チェコへ帰国したミュシャは、チェコやスラヴ民族の歴史を描いた超大作「スラヴ叙事詩」の制作にその後半生をささげた。特別展では、ミュシャの生涯をたどりつつ、その多彩な芸術の魅力と画家としての思いに迫る。観覧料は一般1000円、高校・大学生300円、中学生以下無料。