-今回の作品が実現する上で、ファンの声援をどう受け止めましたか。
西 もちろん、ファンの支持がなければ、実現できなかったことです。
富田 でも、すごく不安だったよね、去年の東京国際映画祭の20周年トークイベントで製作発表したとき。久々に集まったのはいいけど、「ファンの方たちがどれだけ来てくれるのか?」、「話題になるのか?」って。でもそこで初めて、お客さんの熱を知って。
西 ありがたかったよね。立ち見もたくさんいたし…。正直、泣きそうになったけど、阿部くんが泣いてたから(笑)。
阿部 応募の倍率が3倍もあったそうですから。すごく勇気をもらいました。
田中 「当時見てた人!」と聞いたら、一斉に手を挙げてくれて。スーパー戦隊ってすごいなと、改めて作品のパワーを感じました。当時はそのすごさとか、出演できるありがたさがわかってなかったですから。
阿部 スーパー戦隊は、“若手俳優の登竜門”といわれてますけど、僕が子どもの頃に好きだったヒーローの方が、何年経ってもヒーローをやってくれていると、やっぱりうれしいんです。同じようにファンの方が、僕らに向けて「僕らにとってのヒーローです」と20年経っても言ってくれると、感動しますよね。
-作品を拝見して、皆さんのたたずまいから20年の厚みを感じました。その点、当時番組を見ていた世代に響くだけではなく、その親世代が見ても、自分たちの歩みを振り返って、感慨深い気持ちになれそうですね。
西 いろんなことがあった激動の20年ですからね。
富田 お父さん、お母さん世代には、当時、必死に働き、子どもたちをアバレンジャーショーに連れて行った方も多いと思うんです。お子さんが成人した今、改めてこの作品を見ると、きっと当時のことを思い出すはずなので、そういう方たちにも、ぜひ見てほしいですね。
阿部 そういう意味では、ちょっとタイムカプセル感あるよね。これを見ることで、20年前の自分に戻る感覚になって。
田中 その上で、当時より僕らも作品も、だいぶパワーアップしていますから。僕は今回、当時できなかったことをぶつけたつもりですし、アバレンジャーが完全に上位互換になった気がしています。スーパー戦隊のすばらしさも改めて感じたので、今後もチャンスがあれば、ぜひまた挑戦したいです。
阿部 若い人ばかりがヒーローを演じるのは、ヒーローを小さい枠に閉じ込める気がして、ちょっともったいないよね。現実でも、自分の父親や祖父がヒーローだと感じることもあるので、還暦で変身する人が出てきてもいいんじゃないかな。
一同 そうだね。