-神山さんは演じるレオ役についてどう感じましたか。
神山 レオはチャーミングな性格で、少し子どもっぽさも残っている人物で、演じる上では自由度はそれなりに高いのかなと思います。大きな声を出したり、動き方だったりすることで面白おかしくできるのかなという印象が今はあります。まだ本格的な稽古が始まっていないのであくまでもイメージですが。
-ご自身とリンクする部分はありますか。
神山 どうでしょうね…別人じゃないかな。
濵田 僕も全然違うと思います。
神山 逆に自分とはかけ離れている役の方が見つけていく作業が多いので、演じることを楽しめると思います。自分の持っている引き出しを開けて、(役柄の要素を)探していく中で、これまで開けたことがなかった引き出しを開けてみる作業をすることになると思うのでどんな芝居になるのか楽しみですね。
濵田 僕はこれまで「自分と似ているな」と思いながら脚本を読んだことが1度もなかったので、よく分からないですね。マックスは、お金を稼ぐことに必死なので、その理由は何なんだろうとか、何でそんなにお金が好きなんだろうと考えながら読んだように思います。お金は好きだけど、ショーも好きというマックスを作り上げていくのは、大変な作業だなと思いました。
-濵田さんは高い歌唱力が周知されていながらも、本作が初ミュージカルです。(取材当時)すでに歌稽古がスタートしていると聞いていますが、手応えなどは感じていますか。
濵田 今はまだメロディーを覚えるのに必死で、手応えというところまでいっていないので、(それを感じられるまで)待ってくださいという状態です。これまで僕は音を耳で聞いて覚えるという方法でやっていたので、楽譜を見るということがあまりなかったんですよ。今は、楽譜を見て「ここは休符だ」とか、考えながら覚えているので苦戦しています(苦笑)。こんな僕がミュージカルで主演をしていいのかなと申し訳なくなりますが、とにかく家に帰ったら、音楽をひたすら聞いて覚えて。ただ、歌を伝えるということに意味があると思うので、音ばかり追いかけるのではなく、気持ちを伝えていければと思っています。
-不安と期待、今の心境をパーセンテージで表すと?
濵田 不安が80パーセントかな(笑)。まだ楽曲も数曲しか練習していないので不安が大きいですが、きっとやっていくうちに期待や楽しみが大きくなっていくのだと思います。最初の稽古からできる人はいないと思うので、まだまだ練習です。
-神山さんは「ブラッドブラザース」以来、約9年ぶりのミュージカルになります。ミュージカルならではの楽しさや難しさはどんなところに感じていますか。
神山 楽しさも難しさも表裏一体だと思います。歌で感情を表現する、話しているように歌うことができたら楽しいですが、できないときはめちゃくちゃ難しい。やっぱりミュージカルなので、そこが一番なんだと思います。歌っている途中でせりふが入って、また歌に戻るという一連を、パンパンパンと流れるように通していかないといけないので。なので、今、ディズニーの映画をめちゃくちゃ見て勉強しています(笑)。物語の途中で流れるように歌うシーンが多いので、どうしたら自然とできるのかなと。
-「ブラッド・ブラザース」のときは、そうした部分はどのように考えていたのですか。
神山 9年も前なので、自分でもまだ分かっていなかったところが多かったと思います。なので、きっと全て、ただ歌っていました。ダンスもそうですが、ミュージカルでは、ただ踊るのではなく、そのときの心情や感情を表現して、話しているかのように踊るのが大事。今回は、そうしたところも意識しながら演じようと思います。9年も間が空いていたらゼロと一緒なので、僕もとにかく頑張ります。
(取材・文/嶋田真己)
ミュージカル「プロデューサーズ」は、11月8日~12月6日に都内・東急シアターオーブで上演。