1955年に書籍から始まった「ギネス世界記録」。人間が達成した記録や、自然界で起きた「世界一」など、さまざまな世界記録を認定・登録しています。その中から、旅行に関するギネス世界記録を紹介していきます。今回は、世界で最も長い距離を走る路線バスの話です。
南米大陸の西から東へ移動するすさまじい路線
Expreso Internacional Ormeño iniciará viajes Lima-Río de Janeiro desde el domingo https://t.co/EEc1fcgeyY pic.twitter.com/VAraeTKTaC
— SolobusesDeVenezuela (@Solobuses) January 24, 2016
日本で最も長いバスの路線は、かつてTABIZINEで紹介しました。奈良から和歌山まで総距離170kmを6時間半で走る、奈良交通の八木新宮線でしたね。
では、世界で最も長いバス路線はどこにあるのでしょうか? ギネス世界記録には「Longest bus route」として2016年(平成28年)に登録されています。登録地は、南米のペルーで、記録を保持する会社は「オルメーニョ社」とあります。
同社は、国際線バスの運行に実績があり、エクアドル・コロンビア・ベネズエラ・チリ・アルゼンチン・ボリビアなどにも路線を結んでいます。
中でも、ペルーの首都であるリマから隣国ブラジルのリオデジャネイロまで、6,200kmの行程を結ぶ世界最長のバスを走らせています。
リマは南米大陸西岸の太平洋に面した都市で、リオデジャネイロは南米大陸東岸の大西洋に面しています。要するに、南米大陸の西から東へ移動するすさまじい路線が地球上には存在するのですね。
リマからリオデジャネイロまで4日以上かけて走破
Nostalgia busologa peruana…
Neoplan Spaceliner, Expreso Internacional Ormeño.
Foto: Raul Vich pic.twitter.com/PhmDOPQnGd
— Fan Bus (@FanBus1) October 22, 2019
そもそも、6,200kmとはどの程度の距離なのでしょうか? 東京から6,200km離れた都市は、アフガニスタンの首都カブールなどになります。
「どこ、それ?」と思う人もいるかもしれませんので、もうちょっとわかりやすく言えば、インドの首都デリーまでが5,852kmほどですから、それよりも遠い場所と想像してみてはいかがでしょうか?
オルメーニョ社が運行する、リマ〜リオデジャネイロの路線バスは、この長大な距離を102時間前後で走破します。4日とちょっとですね。
南米特有の多様性を満喫できる路線
その間には、アンデス山脈を越え、アマゾンを通り抜けなければいけません。山道特有の鋭い折り返しの道があったり、富士山の頂上くらいの標高に達したりと、端から端まで乗車した場合、肉体的・精神的にもかなり厳しい体験が待っているようです。
ただ、その道中では、さまざまな土地に暮らすさまざまな民族の乗客が乗り降りするので、南米特有の多様性を満喫できるそう。
ちなみに、旅行サイト「Highway Brazil」によると、気になる運賃は、ペルーからブラジルまで移動して2万円前後との話。南米旅行の際に、人とは異なる変わった旅を楽しみたいと思ったら、ペルー〜リオデジャネイロのバス旅行にチャレンジすると一生の思い出になりそうですね。
[参考]
※ Longest bus route – Guinness World Records
※ Rio de Janeiro to Lima Peru | The longest bus drive in the world – updated 2018 – Highway Brazil
※ Ormeño: Peru Bus Company Profile – tripsavvy
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