ユネスコの世界文化遺産への登録のニュースが話題となっているが、ユネスコが認定した「ジオパーク」が日本に8地域もあるのをご存じだろうか。
「ジオパーク」とは「地球・大地の公園」で、地球活動が生み出した地形や変動した地質の上に広がる豊かな自然と、そこに深くかかわってきた人々の暮らしや歴史、文化に触れることができる地域を示す。日本国内のユネスコ認定ジオパークは「洞爺湖有珠山(北海道)」「糸魚川(新潟県)」「山陰海岸(鳥取、兵庫、京都)」「室戸(高知県)」「島原半島(長崎県)」「隠岐(島根県)」「阿蘇(熊本県)」「アポイ岳(北海道)」の8カ所。
室戸ユネスコ世界ジオパークでわくわく発見!
高知県室戸の「室戸ユネスコ世界ジオパーク」では夏休みを利用した自然体験ワークショップが開催されている。室戸はまさに海と陸が出会い新しい大地の誕生を体感できる。子供達と一緒に体験し、夏休みの自由研究テーマにしてみてはどうだろうか。
室戸の海岸に広がる地層は何千年も前に海底にあった。これらの地層を間近で見て触れることができる。また約1400年前に海底で火山が噴火し溶岩となった岩も。これらをインストラクターと一緒に海岸で観察してみよう。まさに海と陸が出会い新しい大地が誕生する最前線に触れることができるのだ。
また、1泊2日で四国自然史科学研究センターの谷地森先生と一緒に室戸の野生生物ウォッチングも開催。国立室戸青少年自然の家に宿泊し、夜の散策なども企画されている。
その他、「室戸世界ジオパークセンター」では毎週土曜日に室戸の自然や地形に詳しい先生がやってくる。「海の生き物先生(8月12日)」、「地図と岩石の先生(8月19日)」、「昆虫の先生(8月26日)」がやってきて午前と午後にミニ教室を開催する。各回15分程度だが、せっかくの機会だから普段疑問に思っていることも勇気を出して聞いてみよう。
開催日時や料金は異なるので「室戸世界ジオパークセンター」に問い合わせてみよう。
古式捕鯨と室戸の文化
今年3月にリニューアルした「キラメッセ室戸・鯨館」では夏休み期間中(8月1日~9月10日)に古式捕鯨展を開催。「キラメッセ室戸 鯨館」では日本独自の鯨文化や古式捕鯨を学ぶことができ、最新のデジタル技術を屈指した展示物は親子で楽しめる。
古式捕鯨展では「中道寺の鯨位牌(レプリカ)」「クジラの潮吹き資料」「五島の鯨組と竜馬を繋ぐ物語」「葛飾北斎の五島鯨付(復刻版)」など室戸捕鯨のルーツや文化を知る上で重要な資料を各種展示。
また、古式捕鯨の様子を描いた「室戸捕鯨絵図」をデジタルアートシアターで紹介。臨場感あふれる映像にも圧倒される。館内中央に設置されている「勢子舟」に乗りVR(仮想現実)のヘッドセットを付けると360度のオーシャンビューが体験できる。目の前にクジラが現れるなど、まるで魚になった気分が味わえる。
室戸の地形を活かした漁業が産んだ「キンメ丼」
室戸沖には海底火山が隆起した大正礁があり、高級魚「金目鯛」の漁場が広がる。金目鯛は水深360mの深海にいるが、室戸の港から1日で往復できる距離に漁場があり、鮮度の高い金目鯛を味わうことができる。
室戸の「キンメ丼」にはルールがある。「室戸沖でとれた金目鯛を使う」「ご飯の上に金目鯛の照り焼きと地魚の刺身をのせる」「金目鯛のダシ汁を付ける」「具材は高知県産にこだわる」「価格は1600円(税込)とする」だ。室戸市内で現在10店舗で「室戸キンメ丼」が味わえる。各店舗でルールに基づいたオリジナルのキンメ丼が楽しめる。
夏休みもあっという間。8月の終わりに慌てないように自然豊かなジオパークで楽しみながら自由研究をやってみよう。