カルチャー

華やかモナコのナショナルデー、バレエなどで魅了  環境分野でも協力強化確認

 大阪・関西万博は6月28日、モナコのナショナルデーを迎えた。モナコと日本との外交関係が樹立されたのは2006年と比較的新しく、来年が20周年の節目となる。式典では、これまでの観光やスポーツでの交流に加え、環境問題での協力推進を確認。バレエ公演やサッカーの慈善試合も行われ、多くの来訪者を喜ばせた。

 式典で、モナコのアルベール2世公は、「モナコと日本はそれぞれ歴史、文化、伝統に深い敬意を表しながら揺るぎない未来を築いているが、環境との調和なしに発展は考えられない。万博の志と調和し、人類の将来を真剣にみつめた思慮深い社会を構築することが共通の課題だ」と強調。「Take Care of Wonder」をテーマとする同国パビリオンの庭園が、日本とモナコの間で共有される価値観を表現していると説明した。

公式式典であいさつするモナコのアルベール2世公

 羽田浩二・日本政府代表は、「日本では、モナコはF1や観光で有名だが、気候変動や環境問題に積極的に取り組んでいる国でもある。環境分野での両国協力関係が強化されることに期待している」と述べた。

 オルケストル・デ・カラビニエ・デュ・プリンス(プリンス・カラビニエ管弦楽団)は、任天堂「マリオ」のテーマソングを奏でながら大屋根リングの下を行進。モナコの国旗カラーでもある赤と白を基調にした衣装でさっそうと進むパレードに多くの人が見入った。

大屋根リングの下を行進するプリンス・カラビニエ管弦楽団

 夜には、元俳優のグレース王妃が設立したことで知られるプリンセス・グレース・アカデミーとモンテカルロ・バレエ団による公演がシャインハットで開催。格調高い王立バレエ学校の演技を見ようと集まった人々で満席となり、友人と参加した50代女性は「一生に残る思い出になる。幻想的で圧倒されるステージだった」と話した。

鳴り止まぬ拍手にこたえるプリンセス・グレース・アカデミーのダンサーたち

 また、6月27日に前夜祭として、日本とモナコの友好関係を表すサッカーの慈善試合がパナソニック吹田スタジアムで行われ、元日本代表の本田圭佑さんらが登場。フランス1部リーグのモナコでプレーする南野拓実選手は、試合前のセレモニーに参加した。収益は能登半島地震の被災地支援などに役立てられる。会場では、ビジネスパーソンが交流するレセプションも催され、両国の関係者が交流を深めた。

サッカーの慈善試合に合わせて行われたビジネスパーソンが交流するレセプションでは、日本酒も振る舞われた