学校とのやり取りが“紙”中心だった時代が変わりつつある。公立校でも、学校からの手紙の受け取りや、PTA関連の連絡業務、行事の写真購入などを、スマートフォン(スマホ)を通して行われるようになっているケースが多いのではないだろうか。
そんな時代の動向を受け、協同組合・協同組織を基盤とする保険会社、共栄火災海上保険(共栄火災、東京)と、次世代金融インフラを提供するFinatext(東京)はこのほど、スマホで加入手続きができる「小・中学生総合補償制度」の長野県PTA連合会への提供をスタートした。
コロナ禍もあり、非対面・非接触による保険加入の要望が増える昨今。全国の農林水産業協同組合や生活協同組合、信用金庫・信用組合、PTA連合会などが取り扱う団体保険においても、ウェブ上で加入手続きが完了できる保険へのニーズが高まっているという。一方、紙での申し込みを前提とした従来の保険販売にウェブ加入に対応したシステムを導入するには、開発コストと開発期間が大きな課題となっていた。
こうした保険会社、客双方のニーズを見据え、Finatextは、SaaS型保険基幹システム「Inspire(インスパイア)」(SaaS=Software as a Service、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアもしくはその提供形態)を、2020年から提供している。その「Inspire」を活用したのが、今回のWeb団体統合システム。「24時間いつでも、スマートフォンから加入手続きや契約内容の照会、事故の連絡ができる」「保険料の口座振替などの手続きにおいても、ウェブ上で手続きが完結できる」「分かりやすい操作画面で、簡単・手軽に操作できる」ことが特徴。
長野県PTA連合会に提供する「小・中学生総合補償制度」は、学校内外を問わず小・中学生のケガや日常生活の賠償責任などを補償する保険。PTA連合会が配布するパンフレットに記載の二次元コードからスマホで加入手続きができる。現在の子育て世代がデジタルネイティブ中心であり、今後、スマホネイティブ世代が子育てを担っていく中では、必然ともいえる流れかもしれない。
今回、「各地域の組合員や会員のニーズを丁寧にヒアリングし最適な商品を提供する」という共栄火災のポリシーを、Finatextの「Inspire」により、約4カ月の開発期間を経てスピーディーに反映、実現させた。今後、共栄火災が提供する保険について段階的にデジタル化を目指していくという。