フランス旅行のガイドブックには、「歩道を歩く時は犬の“落とし物”に注意」という趣旨の注意書きがよく見られる。道路清掃の車もよく見かけるが、その割に歩道の“障害物”は減る様子がない。業を煮やした行政が最近、有無を言わさず、排泄物から犬と飼い主を突き止めて罰金を科す手段を取り始めた。飼い主にワンちゃんのDNAを登録させるという方法だ。
パリジャン紙によると、フランス北部マルヌ県のランスでは、来年からこの登録制度をスタートする。「今まで排泄物を入れるための袋の無料配布やキャンペーンなど、予算措置を講じてさまざまな対策を実施してきたが、一向に道はきれいにならなかった」と同市。ランスには歴代フランス王が戴冠した大聖堂や、シャンパーニュの有名なメゾンなどがあり、観光客も多い。犬を散歩させていたシャンタルさんは、パリジャン紙のインタビューに「きちんと始末しない無責任な飼い主は多い。解決法がそれしかないなら、登録だって仕方ない」と答えた。
「緊急性のある話じゃない。税金を使うんだし」という反対意見もあるが、フランスではすでに南西部のベジエや北部のサントメールなどで、飼い犬の犬種や生年、名前とDNAを登録させるという同様の措置が取られており、“落とし物”が減るという効果が出ているという。
(text by coco.g)