まめ学

ヘルメットは準備できている? 共栄火災海上保険が“楽しく安全に”自転車を利用するための意識調査

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 5月は、自転車に“楽しく安全に”乗るために、自転車普及協会(東京)と関連団体が展開する「自転車月間」。これに合わせ、共栄火災海上保険(東京)は、月に1回以上、自転車を利用する全国の20歳~60歳以上の1078人を対象に「自転車の利用実態と安全運転に関する意識調査」を行った。調査はインターネット経由で、4月14~15日に実施した。

調査対象者の内訳
調査対象者の内訳

 自転車事故を防ぐために普段から気を付けていること、各地域で施行が進められている自転車保険の加入を義務付ける条例についての認知度や加入状況などを聞く同調査は、2021年にスタート。3回目の今回は、改正道路交通法の施行で今年4月から努力義務化された自転車利用者のヘルメット着用や、普及しつつあるシェアサイクル利用に関する質問も追加した。

 まず、自転車利用の実態に関して質問。自転車の利用頻度については、回答者全体の6割強(64.4%)が週の半分以上(ほぼ毎日、週3~5回)利用すると回答。中でも20代は76.2%、30代は70.1%と、他の年代に比べ利用頻度が高かった。自転車を利用する場面については、「通勤・通学」「業務・仕事での移動」合わせると20代が84.0%、30代が72.6%となっており、これらの年代は仕事上で自転車利用の頻度が高い傾向があった。

普段乗っている自転車
普段乗っている自転車
電動アシスト自転車を購入したきっかけ
電動アシスト自転車を購入したきっかけ

 普段乗っている自転車については、「一般車・シティーサイクル」(58.6%)がダントツの1位で、2位が「電動アシスト自転車」(22.5%)、3位が「スポーツ・競技用自転車」(14.6%)。電動アシスト自転車については、前々回調査(19.0%)、前回調査(20.6%)と比べ増加傾向に。年代別では、20代で27.9%(前回比9.5ポイント増)、30代で28.9%(前回比2ポイント増)と、若い世代で電動アシスト自転車の利用が拡大している傾向が見られた。電動アシスト自転車購入のきっかけについては、子育て世代の30代の34.4%、40代の42.1%が「子どもの送迎」と回答。50代の48.6%、60歳以上の72.9%が「坂道などの運転補助」と回答した。

自転車を利用する頻度
自転車を利用する頻度
自転車の用途
自転車の用途
コロナ禍での自転車運転
コロナ禍での自転車運転

 昨今、サイクルポート(駐輪場)で必要なタイミングで借り、返却する「シェアサイクル」が普及しつつある。シェアサイクルの利用については、全体の約3割(29.4%)が「週に数回~月に数回程度」利用すると回答。年代別では、20代の6割強(62.1%)が利用していた。若い世代を中心にシェアサイクルの利用が広がっているようだ。

シェアサイクルの利用
シェアサイクルの利用

 次に、安全面やもしもの事故を想定した対策について質問。改正道路交通法の施行で今年4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が“努力義務化”されたことについては、全体の9割超(92.7%)が「知っていた」と回答。そのうち、ヘルメットを「購入済み」の割合は23.9%にとどまった。しかし、「購入を予定」(14.6%)、「購入を検討中」(20.5%)という“ヘルメット購入に前向き”の回答と「購入済み」を合わせると全体の6割弱(59.0%)となった。「購入済み」「購入を予定」「購入を検討中」の合計割合を年代別に見ると、20代が70.5%、30代が64.5%、40代が50.2%、50代が49.5%、60歳以上が60.8%だった。

自転車でのヘルメット着用
自転車でのヘルメット着用
自転車用ヘルメットの購入
自転車用ヘルメットの購入

 「自転車事故を防ぐために気をつけていること」(複数回答)について、全体の回答はトップが「スマートフォン、携帯電話を使用しながらの運転」(56.8%)。以下、「自転車の急な飛び出し」(56.7%)、「傘を差しながらの運転」(44.0%)、「信号無視」(40.8%)、「夜間での無灯火運転」(37.8%)と続いた。

自転車で危ないと感じたこと
自転車で危ないと感じたこと

 「自転車の事故防止で最も必要なこと」(複数回答)についての全体の回答は、「一人一人の注意」(45.5%)がトップ。以下、「『交通標識・自転車専用レーン・道路整備』といったインフラ整備」(44.0%)、「小中高校での交通指導の徹底」(40.1%)と続いた。

自転車事故の予防策
自転車事故の予防策

 「自転車保険(自転車で人にケガをさせたり、物を壊したりした場合に備える自転車損害賠償責任保険等)への加入」については、全体の66.7%が「加入している」と回答。前々回調査(60.9%)、前回調査(65.2%)から増加傾向にある。加入のきっかけ(複数回答)は、「自治体で法制化され、義務付けられたため」(46.3%)と「自分(もしくは家族)が加害者になった時に備えて」(48.7%)が、それぞれ約半数だった。年代別に見ると、20代・30代は「自治体で法制化された」(20代:75.0%、30代:61.3%)、40代以上は「加害者になった時に備えて」(40代:57.3%、50代:60.8%、60歳以上:64.5%)の割合が高かった。

自転車保険の加入
自転車保険の加入
自転車保険加入のきっかけ
自転車保険加入のきっかけ
自転車保険に加入しない理由
自転車保険に加入しない理由

 車と違って環境に負荷をかけず、自分でこぐということで運動にもなる自転車。日常生活に便利なツールだが、道路交通法上の「軽車両」として、運転にはさまざまなルールを伴う。今一度、自転車利用のメリットや、もしものリスク、対策を見直してみよう。