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こねる!おどる!のぼる! こんぴらさんの旅 【あなたをエスコート 幸せになる旅コラム#16】

 うどんは讃岐や武蔵野のようなコシのある硬い麺が好きですか? それとも伊勢や博多のような柔らかい派ですか? 私はどちらも好きなんです。今回はうどん県(香川県)の学校で、本場の讃岐うどんを作っていただこうという旅です。

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「造った」と書きたくなる作品です

 こんぴらさんの参道にある中野うどん学校に入学します。学校なので自分の机と椅子があり、机の引き出しにはうどん粉を伸ばす棒や包丁など一式が入っています。ホワイトボードには湿度など環境によって加水率を変えることなどが紹介されています。実は「学校」といっても、1時間ほどの「うどん作り体験」なのですが、すっかり生徒になった気分です。

リズムにのって、足で踏みましょう
リズムにのって、足で踏みましょう

 

 キーンコーンカーンコーン。授業開始の鐘が鳴ります。今回、授業を担当されたのは副校長。分かりやすい座学の後は実践です。強いコシを出すために、とにかくしっかりこねることが大切。必死にこねていましたが、副校長から「さらにコシを出すために足で踏みましょう」と指南されます。靴を脱ぎビニール袋に入れたうどん粉を踏もうと思った瞬間、教室に流行りのポップスが流れます。そう、踊りながら踏むのです。しかもタンバリンを持って。

副校長から卒業証書をいただきました
副校長から卒業証書をいただきました

 

 学んで踊って完成したうどんの味は最高。「楽しむことが何よりの調味料」だと教えていただきました。授業が終われば、立派な卒業証書もいただけます。こんぴら参りの際には、ぜひ体験してください。

石段に沿うように店が並びます
石段に沿うように店が並びます

 

 さあ、お参りを始めましょう。こんぴらさんの正式名称は金刀比羅宮。JR土讃線の琴平駅および、高松琴平電気鉄道の琴電琴平駅が最寄りです。琴電琴平の駅舎に向かって右側には、国の重要有形民俗文化財で高さ27mの日本一高い高灯籠があります。

琴電琴平駅と日本一高い高灯籠
琴電琴平駅と日本一高い高灯籠

 

 何といってもこんぴらさんは御本宮まで785段、奥社になると1368段もの石段を上るのだから、あれやこれや持たず、とにかく身軽になることが大切です。うどん学校で杖を借りて石段に向かいましょう。先ほど踊ったので、準備運動はバッチリです。

美しい金刀比羅宮の御本宮
美しい金刀比羅宮の御本宮

 

 785段といっても、御本宮までひたすら石段が続く苦行のような道のりではありません。途中には、十一面観音立像など重要文化財を所蔵する金刀比羅宮宝物館、円山応挙の美術品が鑑賞できる表書院などが見学できます。大門をくぐると「加美代飴」というべっこう飴を売る店が参道に並んでいるのですが、この店の方々は金刀比羅宮にゆかりのある家柄で、境内での営業を唯一許された「五人百姓」と呼ばれているそうです。

かわいい金毘羅狗のおみくじ
かわいい金毘羅狗のおみくじ

 

 無事、御本宮にたどり着き参拝を済ませたら、かわいい犬のおみくじをひきませんか。その昔、こんぴらさんではご主人に代わって飼い犬に参拝させたという話があり、そうした犬を「金毘羅狗(こんぴらいぬ)」と呼んだそうです。犬の首に掛けた袋には、飼い主の名前を記した木札や初穂料、参拝途中の犬の食費などが入っていたそうです。

 古くからいわれる「一生に一度はこんぴらまいり」、いかがですか?

【旅人略歴】
エスコートK…数十年前、旅程管理主任者の1期生として、国内外のツアーをエスコート。現在は生活情報誌の編集長だが、旅の取材だけは自らのカメラを手に、こっそりとデスクを離れ出掛けている。