
埼玉県行田市で発生したマンホール転落死亡事故。転落した作業員を助けようと次々に入った人が亡くなったという痛ましい報道を見ながら、素人視聴者は「命綱みたいなものはないの?」と思っていたが、やはり落下防止器具を装着していなかったという続報。墜落防止用品などを扱うティー・アイ・トレーディング(東京)は、事故原因と対策をまとめた解説記事を公開し、「マンホール墜落防止・レスキューシステム」などの導入で安全な作業環境を、と訴えている。
解説記事によると、通常「救助用に用意しているロープで引き揚げる場合、支点確保や滑車設営に時間を要し、結果として救出が遅延」し、「意識を失った人を垂直に保ったままマンホールの狭い出口から引き上げることも救助の難易度を上げる」ために、さらに時間がかかってしまうという。医学的に心肺停止後4分以内の救出が生死を分けるとされているため、地上側から迅速に引き揚げられる装備が必須になる。
同社で扱っているマンホール救助の三脚システム(参考価格75万円~)は、三脚と巻上機能付き安全ブロックでできたもので、ワイヤーの長さは15メートル。自動ロックで落下距離を最小化し、地上からハンドル操作だけで意識不明者を引き揚げることができるという。