「不定愁訴」をご存じだろうか? 明確な病名や検査異常はないが、頭痛、倦怠(けんたい)感、冷え、不眠などの体調不良を訴える状態を指し、多くの人が経験していると思われる。マイウェルボディ協議会(東京)と一般社団法人ラブテリ(東京)は、17歳から49歳までの日本人女性3001人(非妊婦・授乳婦)のデータを解析し、不定愁訴の個数と栄養摂取状況の関連を明らかにした。調査期間は8月15日~8月17日。
働く女性の生活習慣の課題に「朝食欠食率の高さ」があるが、ラブテリがこれまでに実施した調査では、勤務時間が長くなるほど朝食欠食率が高まり、鉄やカルシウムなどの栄養摂取状況が悪化するという。
新たな調査対象者の回答から、11個の不定愁訴(疲れやすい、肩こり、冷え性、むくみ、肌荒れ、腰痛、便秘、頭痛、精神的なアップダウン、不眠、風邪を引きやすい)のうち、自覚している症状の個数を0~3個(Low)、4~7個(Middle)、8~11個(High)の3群に分けて群間を比較したところ、3群間における朝食摂取頻度を見てみると、不定愁訴の個数が少ない群(Low)では、「ほぼ毎日食べる」と回答した割合が70.1%と数値的に最も高くなった。
また、不定愁訴の数が多い群ほど、鉄をはじめとする微量ミネラル、オメガ3系脂肪酸、食物繊維の摂取が少なく、ショ糖の摂取が多いことが明らかとなった。さらに、朝食摂取頻度が少ないこと、野菜や魚の摂取が少ないこと、洋菓子の摂取が多いことも、不定愁訴の多さと関連していた。つまり食習慣がエネルギー摂取量不足と栄養バランスの乱れを生じさせ、 不定愁訴を増やした可能性があるという。調査結果が示唆するのは、朝食をしっかり取る一方、栄養バランスを考えることが体調を良くすることにつながるということだろう。










