スリラー系では、『エクス・マキナ』の鬼才アレックス・ガーランドの新作『MEN 同じ顔の男たち』が要チェック。夫の自死に直面し、心の傷を癒やすため、イギリスの田舎町を訪れた女性が体験する恐怖を描く。
日本の鶴田法男が撮った中国映画『戦慄のリンク』は、ネット小説に潜む死の恐怖に迫る。ホラー要素満載で、“Jホラーの父”とたたえられる鶴田監督の面目躍如といっていい。
ラブストーリー好きなら、イタリア映画『離れ離れになっても』を。16歳で出会った男女が、激動の時代に翻弄(ほんろう)され、別れと再会を繰り返す40年間の物語。
エットーレ・スコラの『あんなに愛しあったのに』やジュゼッペ・トルナトーレの『ニュー・シネマ・パラダイス』など、イタリア映画の先達へのオマージュが感じられる。
『ハッピーニューイヤー』は、韓国版『ラブ・アクチュアリー』と呼びたくなるロマンチックな群像劇。大みそかの高級ホテルを舞台に、“14人14色”の恋が交錯する。
最後に、2022年の洋画で最大のヒットなった『トップガン マーヴェリック』が、粘り強く興行を続け、お正月もシネコンなどの映画館で見られることを付け加えておきたい。
(外山真也)