-では、30歳を迎えて、これから表現者としてどんな姿を目指していきたいですか。
まずは、しっかりと責任を全うできるようになりたいです。20代の頃は「責任」という言葉を知らないんじゃないかというほど、全く考えたことがなかったんです。ですが、最近は、責任を全うすることでまた別の楽しみがあるんじゃないかと考えるようになってきました。責任を背負って、なおかつはしゃげる人になりたい。一言で言ってしまえば、「分別のある子ども」です(笑)。それが30代のテーマじゃないかなと思っています。人に迷惑をかけないように生きて、弾けるときは思い切り弾けていたいです。それから、「会ったら元気になる」と言われる人になりたいとは思っています。それは誰に対してもです。僕に会ったら元気になれる、僕の作品を見たら元気になると思ってもらえたら最高ですね。
-先ほど、2022年は「楽しむ」がテーマだったと話していましたが、改めて振り返ってどんな1年でしたか。
2022年は、2021年の100倍楽しかったです。2021年は2020年より100倍楽しかったんですけど。
-毎年楽しいというのはすごいことですね。
つまりは、ずっと楽しい。毎年更新しています。なので、きっと来年は今年の100倍楽しいと思います。楽し過ぎて大変そうだなと思うぐらい(笑)。真面目な話、僕はとても恵まれています。大好きな仕事をして、大好きな歌舞伎をして、その歌舞伎の中で自分が求められる存在に少しなってきていることをふと感じる瞬間があったり、そこで役に対して悩んだり、お客さまを呼ぶことの大変さを痛感したりすることも含めて、全てが楽しかった1年でした。
-2023年に、新しく挑戦したいことはありますか。
ウコン飲料系の広告をぜひやらせていただきたい! お待ちしております(笑)。
-最後に、公演を楽しみにしている人たちにメッセージを。
今回は、スサノオというエネルギーあふれる役なので、そのエネルギーと自分の役者としてのエネルギーを重ね合わせて、お客さまに楽しい時間を過ごしていただき、いい1年だったと思っていただき、そして、いい1年が始まったと思っていただけるような公演にしたいと思っております。劇場でお待ちしております。
(取材・文・写真/嶋田真己)
J‐CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ 詩楽劇「八雲立つ」は、12月30日~2023年1月1日に、都内・東京国際フォーラム ホールB7で上演。
公式サイト https://www.iz2tokyo5.com