-収録時に気を付けた部分を教えてください。
ザッカリーさんのお芝居が本当に面白くて。早口でまくし立てたりとめどなくしゃべるシーンが多く、その中でも(せりふの)強弱が激しかったり、急に驚いたりとか。しかし、そこをただまねするだけではなく、どういう意味でやっているのかというのを家でしっかりと予習して臨みました。
-緒方恵美さんが吹き替えを担当したビリーとシャザムは、姿は違いますが同一人物です。演じるに当たって大事にした部分などはありますか。
シャザムの難しさってそういうところだなと思っていて。ビリーの気持ちでいなくちゃいけないので、シャザムの姿じゃないときの彼の動きや心の機微もしっかり見て、大元はこの子なんだということを意識しました。でも、シャザムに変身したときの方が、(動きや話し方が)コメディーだったりするので、それはザッカリーさんが、スーパーパワーを手に入れたら楽しくなっちゃう子ども心を表現されているのかなと思ってみたり(笑)。ビリーの気持ちというのは非常に大事にしました。
-今回、宮野さんがシャザムを担当するというのも驚きではありましたが、三姉妹のキャストもかなり豪華ですね。
台本を開いたときに「この姉妹と対決するのか!?」と、驚きを隠せず1回台本を置きました(笑)。(収録後に)出来上がった映像を見せてもらったときに、やっぱりとんでもない迫力で。そのときは「格好いい!」と思いながら一般のお客さんの気分で見させていただきました(笑)。
-最後に、ファンの人たちへ一言お願いします。
とにかくスケールが大きくて、その中で巻き起こるドタバタが本当に面白くてずっとニコニコしていられる映画です。しかし、その中に思春期の誰もが通る「大人になるってどういうことなんだろう?」っていう問題があったり。ビリーは複雑な家庭環境だからこそ、つながりを求める気持ちが強くて仲間たちとすれ違いが起こってしまったりします…。全く同じではなくても、いろいろなコミュニティーに属したとき、悩んだり考える機会ってあると思うんですよね。そういう気持ちに温かな光をくれるような作品だと思っています。見終わったときに、前向きな力をくれる映画だと思うので、たくさんの方に見ていただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/丸山有咲)