-ちょっと映画的な映像だなと思ったのですが、完成作を見てどんな印象でしたか。
完成作を見てイメージがちょっと変わりました。いろんな角度からいろんなレンズで撮ってくださいましたし、自分たちはお芝居というベクトルでしかできることがなかったけれど、すごく編集に時間をかけて、とても魅力的な映像に仕上げていただいたので、現場にいる時とはまた違う感覚で、お客さんとして楽しめるぐらいのすてきな映像でした。
-玲奈は、年上で後輩の佐藤にきついことを言ったりもします。凸凹コンビというか、コミカルなところもありますが、彼との関係性は演じていてどう感じましたか。
そういう分かりやすいキャラクターが最初から提示されていたので、坂東さんとはそれを自然に構築していける関係性でした。事前に2人で打ち合わせをしたわけではないんですけど、撮影が進んでお芝居をしているうちに、玲奈と佐藤としての関係性が深まったり遠ざかったりしながら変わっていくのを逐一確認し合ったりして、すごく話しやすかったです。リラックスして、お互いが演じる上でのアイデアを投げ合えたような感じがしました。
-回を重ねるごとに、2人の関係性もだんだんと変わっていくのでしょうか。
そうですね。最初は玲奈が佐藤に対してきつく当たっているんですけど、そこからちゃんとバディになっていきますし、信頼関係のようなものが芽生えてくるので、それを撮影している時に実感できました。このシーンでこういうふうに距離が縮まるんだということを感じ取ることができました。
-土屋監督の印象は?
監督は、すごく柔らかい方で、映像に対するこだわりが強いと思うんですけど、演者を無理に型にはめようとすることが全くなくて、むしろ私たちから自然に出てきたものをとても楽しんでくださっていました。修正する時も、とてもにこやかに、修正すべきところを緩やかに直してくれるみたいな感じでした。監督のそういう人柄が、現場全体をいい空気にしていたのかなと思います。
-最後に、視聴者に向けて、見どころも含めてアピールをお願いします。
完成した映像を見て、「このドラマを見たい」と思えるようなものに仕上げてくださったと実感しているので、とにかくいろんな方に見ていただきたいです。撮影中は、すごく目まぐるしくいろんなことが起きるドラマで、まばたきもできない30分をお届けしたいと思っていましたが、本当にそうなったなと思います。ぜひ自由に楽しんでいただきたいと思います。
-今後、こんな役を演じてみたいという希望はありますか。
あまり特定の役は決めていないんですけど、今23歳で、この玲奈役も19歳です。まだ高校生の役とかが多くて、自分の年齢までの人生しか役としての経験がないので、これから先、年齢を重ねていって、働くとか、家族を持つとか、そういう10代の役では経験できなかったようなことを経験してみたいなと思います。あまりとらわれずに、面白い作品に出たいという感じですね。
(取材・文・写真/田中雄二)