-(取材当時)お稽古はまだこれからだと思いますが、それぞれどんなロミオになりそうですか。
岡宮 僕は「この世界にもいそうなロミオ」になるのではないかなと思います(笑)。もちろんロミオはベローナという街に生きていますが、僕が演じることで「ああ、こういう子、いるよね」と共感していただけるロミオになるのではないかなと。あまり気負わずに、感じたままに演じたいと思います。
小関 僕は「爆発」かな。もちろん役者の皆さんそれぞれの熱さと爆発力があると思いますが、僕も爆発するようなロミオを演じたいです。喜怒哀楽の感情表現の中で、悲しみが爆発する瞬間が一番感情移入しやすいと思います。もちろん、その悲しみのためには「好き」という思いや愛情といったポジティブな感情を実感する必要があると思いますが、見ている皆さんも悲しみから物語を実感しやすいのではないかなと思うので、悲しみの表現を大事に演じたいです。そして、この作品が結末に向かっていくにあたって、1つ1つの爆発も大事だと思うので、体をボロボロにして頑張りたいと思います。
-では、もしも二人がロミオと同じように、運命的な出会いを果たし、相思相愛になったけれども、たくさんの困難があり、結ばれるのが難しいという状況になったらどうしますか。
岡宮 僕は家族を大事にするような気がします。自分が置かれている状況を俯かんで見てしまって、突っ走れないですね。身を引くと思います。
小関 この物語が描かれた時代ならまた考え方も変わるかもしれませんが、今の時代なら突っ走ります(笑)。
-例えば、それが恋愛ではなく、お仕事で「自分は突っ走りたいけれども、周りからは止められている」という状況だったら?
岡宮 お仕事だったら、自分の意見を突き通すと思います。反対意見があっても「僕がやりたいんです」って。何で、恋愛になるとダメなんですかね(笑)。
小関 思いやりが人一倍、強いんじゃない? いろいろな人の思いが見えてしまってブレーキがかかっちゃう。
岡宮 考え過ぎてしまうんですかね。
小関 僕はお仕事も同じだと思います。
-最後に、本作でそれぞれ特に見てもらいたいポイントや、これからの稽古で特に力を入れていきたいところを教えてください。
小関 今までさまざまなロミオを見てきましたが、僕だったらこう演じるというのが台本を読んだときに頭の中に浮かんだので、体現していきたいと思います。台本を読みながらすごくワクワクしたので、これまでのロミオとの違いを味わっていただけるように頑張りたいと思います。
岡宮 僕はとにかく歌を頑張らなければいけないと思っています。喉が強い方ではないですし、不安要素もたくさんあるので、その不安をつぶせるだけつぶしていきたいです。そして、稽古までに台本をたくさん読んで臨みたいと思っています。シェークスピアは詩的な表現も多く、それをどう演じるかも難しいですし、そこで描かれている事実をしっかりと自分の中で合わせられるように考えていきたいです。
(取材・文・写真/嶋田真己)
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」は5月16日~6月10日に都内・新国立劇場 中劇場ほか、愛知、大阪で上演。