カルチャー

ヒトラーのプロファイリング 2年後の独裁者の最期を予言

 アドルフ・ヒトラーの特異な思考や行動パターンなどを、大戦中のアメリカ軍戦略情報局(OSS)が分析したプロファイリングを丁寧に追った『アドルフ・ヒトラーのプロファイリング』(ウォルター・C・ランガー著、北大路書房、税込み3080円)が発売された。80年以上前の心理分析だが、ヒトラーの最期を見事に予言するなど、プロファイリングの本質を捉えており、心理学と歴史のもつ面白さを味わえる一冊だ。

 1943年にCIAの前身のOSSが作成した機密文書を全訳。現代の犯罪心理学者が解説を付した。ヒトラーの心理分析については、心理歴史学的研究史や身体的病理に関する研究史を解説。ヒトラーの生涯を形成期、台頭期、絶頂期、崩壊期の4期に分けて詳細に分析している。また、ヒトラーの自己認識や他者からの認識、側近たちが知る姿や将来における行動の予測などについても分析している。「個人病理はいかにして歴史へと拡張されたのか」や、現代のプロファイリング技術で分析するヒトラーなど、心理学の専門家でなくても読んでみたい解説が並んでいる。