成田空港から約10時間で西オーストラリア州の州都パースに到着する。南半球にある5月のパースは秋を迎え、とても過ごしやすいシーズンだ。太陽の光にあふれ、自然と都市機能が調和した、美しい街として知られる州都パースを擁する西オーストラリア州。西オーストラリア北西部に位置する「カナナラ」で、先住民アボリジナルの文化に触れることができるフェスティバル「バオバブ・メタルズ・オード・バレー・マスター・2025」が5月16~25日に開催される。


▼アボリジナルアートを鑑賞
パースから「バオバブ・メタルズ・オード・バレー・マスター・2025」の舞台「カナナラ」の最寄りの空港までは約3時間でたどり着く。毎年5月に10日間にわたり、ほとんど手つかずの広大な風景に身を置き、先住民アボリジナルの文化に触れることを通じ多様性を感じたり、食事をしたり、先住民のアートを鑑賞したりするなど、さまざまなプログラムが用意されている。「多彩なプログラムを通じて、魅力的で魅惑的な魔法のような体験ができるでしょう」(西オーストラリア州政府観光局)としている。
注目のイベントの一つは、5月22日に開催される「アート・カルチャー&クイジーン」。この土地の先住民ミリウング族の文化的アイデンティティーの独自性をたたえた、アートセンターを拠点にイベントを展開する。参加費は191豪ドル。
先住民ミリウング族の長老たちが、来訪客を伝統的な歓迎式で迎える。アートセンターでアボリジナルアートを鑑賞した後、先住民の楽器である「ディジュリドゥ」の響きを聞きながら、アボリジナルが伝統的に食べてきたオーストラリア固有の動植物「ブッシュフード」など先住民独自の風味が楽しめるカナッペを堪能できる。
さらに、先住民が伝統的に利用してきたオーストラリア産の動植物「ブッシュタッカー」の採取方法についても併せて学べるという。


▼スワン川の岸辺を巡る
一方、州都パースでも、アボリジナル文化ツアーを体験することができる。市街を流れるスワン川の岸辺と「オプタス・スタジアム」周辺を巡りながら、先住民ヌガー族の視点から文化の理解を深めるプログラムになっている。ツアー名は「ワラン・ブリディル・ツアー」で、参加費は80豪ドルから。
先住民ヌガー族の伝統的な守護者であるガイドのニックさんは、パースで生まれ育ち、10代のころは西オーストラリア州「グレート・サザン」地域の先住民保護区で過ごしたという。
ニックさんが案内するツアーでは、州都パースの歴史や、多目的スタジアム「オプタス・スタジアム」周辺などの開発にかかわる、先住民ヌガー族の文化の重要性を説明する。
西オーストラリア州政府観光局担当者は「私たちはこの大地を伝統的に守り継いできた先住民アボリジナルの人々に感謝し、敬意を表します」とした上で「大自然を背景に、先住民アボリジナルの文化に触れ、ここでしかできない体験をしていただくことで、忘れられない時間になることでしょう」と意気込みを語った。
日本からはANAの直行便があり、パースを拠点に先住民アボリジナルの精神、文化に触れ、世界の多様性をあらためて実感する旅になるだろう。

各イベントの詳しい概要については、西オーストラリア州政府観光局のWEBサイトまで。