カルチャー

阿寒湖畔でアイヌ文化の伝統がいかに受け継がれてきたのか? 国立アイヌ民族博物館で展覧会

アイヌ民族博物館第4回テーマ展示「阿寒湖畔のアイヌ文化」ポスター(表

 北海道東部、釧路市の北部に位置する阿寒湖。温泉街があり、その一角にはアイヌコタン(アイヌの集落)があって、アイヌの伝統文化を紹介する資料館や土産物店などもある。アイヌ文化の発信に力を入れており、内外からの観光客も多い。

 そのため、阿寒湖畔ではアイヌ文化の伝統が観光業に携わる人たちのあいだで受け継がれ、発展してきた。民具や土産品の作り手たちは、阿寒湖畔の観光地化とともに各地から集まり、切磋琢磨(せっさたくま)しながら技術を高めてきた。

 また、芸能や儀礼は観光のなかでも受け継がれ、新しい文化も生み出してきた。伝統を正しく受け継ぐとともに新しいものを生み出している阿寒湖畔のアイヌ文化は、民族の違いを超えて寄り添う人々の協働によって成り立っている。

 阿寒湖畔で花開いたアイヌ文化を紹介するために、国立アイヌ民族博物館(北海道白老郡白老町:電話0144-82-3914)で、「地域からみたアイヌ文化展 アカント ウン コタン ―阿寒湖畔のアイヌ文化―」が5月14日(日)まで開催されている。

 阿寒湖畔周辺におけるアイヌ文化に焦点を当てて、「歴史」、「工芸」、「芸能」、「共に歩む人たち」、「ことば」、「観光」の6つのテーマに分けて展示される。アイヌ民族やそれに携わる人たちの歴史やアイヌ工芸、芸能について紹介。また、過去から現在までの伝承活動や新しい取り組みに注目している。展示資料はおよそ140点となる。

 休館日は月曜日。ただし、月曜日が祝日または休日の場合は翌日以降の平日が休館日となる。民族共生象徴空間(通称「ウポポイ」)入場料で観覧できる―大人1200円、高校生600円、中学生以下は無料。関連イベントを含め、詳しくはテーマ展示ウェブサイトまで。