幕末から明治にかけての浮世絵の世界と、現代のマンガがシンクロする展覧会「芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館(三菱地所・東京)で2023年2月25日~4月9日に開催される。時を同じくして、講談社の「モーニング13号」(2023年2月22日発売)に『異聞・浮世絵草子』が掲載される。連載中の『警視庁草紙 ―風太郎明治劇場―』(山田風太郎・原作、東直輝・漫画)とコラボしたオリジナルストーリーだ。
江戸と東京がまだ共存していた明治最初期に、30代を迎えた芳幾と芳年。この時代は『警視庁草紙』の舞台と重なっている。コラボ企画では、激しく移り変わる価値観に直面した芳幾と芳年の生きざまに、同時代を舞台とした漫画、『警視庁草紙』の世界観を通して迫る。芳幾が発起人としてかかわった「東京日々新聞」をはじめ、歌舞伎などに現れる凄惨(せいさん)な場面を、2人が14図ずつ分担して描き、いわゆる血みどろ絵(無残絵)としても有名な『英名二十八衆句』も登場。双方の世界を往復できる。
また、同美術館はこの展覧会を最後に、2023年4月10日から2024年秋頃まで、修繕工事のため長期休館になる。