中世の騎士の世界は興味深い。さまざまな史実を追うのはもちろん、当時の生活スタイルを知るのも面白い。古本屋さんでしか入手できなかった名著、『中世への旅 騎士と城』(H.プレティヒャ著/平尾浩三:訳/白水社)が復刊、神保町・書泉グランデで開催中の「ヒストリ屋」というフェアで入手できる(アニメイトホールディングス・東京)。1回目の重版は完売、再重版分の予約受け付け中だ。
城での生活、食物と衣服、日々の仕事と娯楽。合戦や十字軍の遠征、宮廷騎士叙事詩など、騎士文化最盛期の日常生活を活き活きと描く傑作だ。初版は1982年。2010年にUブックス版が発売されたが、「品切れ重版未定」となっており、新刊での入手は困難だった。ゲームや映画、ライトノベルなどのファンタジーブームと、それらが下敷きにした中世騎士文化。とらえにくいその実情を解説した、当時でも稀有(けう)な書だった。
開催中の「ヒストリ屋」は、国内外の歴史やそれにまつわる商品を展示販売する、書泉オリジナルの催事。今回は中世~近世ヨーロッパを扱った書籍、グッズを中心とした品々を販売している。中世ファン必見だ。