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「3.11鎮魂と復興の花火『白菊』」を岩手県釜石市で 打ち上げ費用などをクラウドファンディングで募集

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 東日本大震災の犠牲者を思い、岩手県釜石市鵜住居町(うのすまいちょう)で2020年から打ち上げられてきた鎮魂と復興の花火「白菊」。釜石市の有志らで作る「3.11祈りと絆『白菊』実行委員会」(事務局・岩手日報社広告事業局、盛岡市)は、今年も3月11日(月)に「白菊」の打ち上げを計画している。打ち上げを実現するため、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE for SocialGood」で、「3.11鎮魂と復興の花火『白菊』を釜石で打ち上げたい」をタイトルに支援を呼び掛けている。募集期間は3月5日(火)まで。

 「白菊」の打ち上げは、全国からの支援を受けて実施されてきたが、協賛金の減少もあり、東日本大震災犠牲者の13回忌の2023年3月11日の打ち上げを機に活動の終了を検討した。しかし、2024年1月1日、能登半島地震が発生。慰霊としての原点に戻り、3月11日に「白菊」を打ち上げることで「大切な人を思う時間」を作り続けることに意義があるのではないかと改めて考え、クラウドファンディングへの挑戦を決めたという。

 支援金の目標金額は500万円で、使い道は、花火打ち上げ費用300万円(花火師支払い・輸送費・台船作業料・備品代・企画運営費・ライブ配信費ほか)、新聞広告掲載料100万円、リターン購入費100万円。支援コースは3000円~10万円を用意。リターンは、支援金額に応じて、石川県の能登町特産「能登いしり魚醬」・能登七尾湾産の赤ナマコエキスがふんだんに配合され保湿効果が高い「赤なまこ石けん」・同県の清酒などと、釜石市特産のしょうゆ・清酒などを合わせて送る。

 目標金額に達成しなくても支援金を全額受け取ることができるAll In方式で実施。3月11日当日に天候やその他の条件により打ち上げを中止した場合、延期はせず、集まった支援金は次年度の打ち上げに繰り越す。

 白一色の花火「白菊」はもともと、シベリアで抑留され命を落とした戦友を弔うために、新潟県長岡市の花火師である故・嘉瀬誠次さんによって作られた。最初にロシアで打ち上げられ、その後は、第二次世界大戦末期の長岡空襲があった8月1日や終戦記念日に長岡市内で打ち上げられている。2020年からは嘉瀬さんの息子の嘉瀬晃さんが尽力し、東日本大震災の犠牲者の慰霊のために釜石市でも打ち上げられてきた。
 
 「3.11祈りと絆『白菊』実行委員会」は、「私たちは東日本大震災で全国からたくさんの支援をいただき、今回被災した能登町からは、釜石市に2013年に応援職員が派遣されました。能登で亡くなられた方々も思い、また恩返しの一つとしても、3月11日に白菊を打ち上げたいと思っています」とのコメントを寄せている。