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山崎一渉の所属チームも出場 8月に大学バスケの国際大会

全米大学体育協会(NCAA)1部のラドフォード大
全米大学体育協会(NCAA)1部のラドフォード大

 アジアの大学バスケットボールのレベルアップを目指し始まった「ワールド・ユニバーシティー・バスケットボール・シリーズ(WUBS)2023」が、8月10日から13日まで、東京の国立代々木競技場第二体育館で、8チームが参加して開かれる。昨年の全日本大学選手権で優勝した東海大、準優勝の白鴎大の日本勢のほか、〝八村二世〟の呼び声が高い山崎一渉が所属する全米大学体育協会(NCAA)1部のラドフォード大も出場する。

 ▽成長途上の八村二世

 WUBSは、昨年は4チームのリーグ戦で行われたが、今年はトーナメント方式で争われる。前出の3校のほか、昨年優勝のアテネオ・デ・マニラ大(フィリピン)、さらに高麗大(韓国)、国立政治大(台湾)、シドニー大(オーストラリア)、ペルバナス・インスティテュート(インドネシア)が参加する。 山崎は201センチのフォワードで、高校時代はジュニアの日本代表の中心選手。仙台明成高の先輩で、米プロバスケットボールNBAで活躍する八村塁(レイカーズ)に続く選手と期待されている。1年生の昨シーズンは多くの試合で起用されたものの、まだ本領発揮のレベルには達していない。しかし、着実にレギュラーへの地歩を固めており、成長途上だ。

山崎一渉
山崎一渉

 ▽英語力上げ課題克服へ

 チームのニコルス・コーチらとオンライン会見に臨んだ山崎は、1年目は全く新しい環境の中で英語によるコミュニケーションの不足や身体能力の違い、手を抜けない普段の授業と、戸惑うことの連続だったという。現役時代にハンガリーでプレーした経験があるニコルス・コーチも「言葉の壁は大きく、コート外の方が大変だと思う」と理解を示す。 ただ、ウィザーズ時代の八村に会った時に「自分も米国での1年目は苦しんだ。絶対、あきらめないことが大事だ」と諭されたという。そして受けたアドバイスは「コート上では(控えめな)日本人になるな。がつがつやっていけ」。山崎の能力が開花するのはこれから先のこと。今は「英語を完ぺきにして、次の課題に進みたい」という。そしてこの夏、「久しぶりに日本でプレーするのが楽しみ。ほかの国のいいところを吸収して優勝を目指したい」と抱負を話した。 この会見が行われた6月8日、八村や山崎を指導した仙台明成高の佐藤久夫監督が73歳で亡くなった。恩師に成長した姿を見せることはかなわなかったが、全力でプレーすることが最大の恩返しになる。