揚げないコロッケ?ラーメンが夕食の救世主? 「クックパッドアワード2015」で来年の食トレンド予測

 「塩レモン」や「エッグベネディクト」に続いて、はやる食べ物は何? 食のトレンドを発表する「クックパッドアワード2015 みんなの食サミット」が、11月30日に東京都内で、ユーザー500人を招いて行われた。
 このイベントは、レシピ検索サイト大手のクックパッドが開催したもの。まずは今年最も流行した食べ物について、同社のキーワード検索数やレシピの投稿数などを基に10個のキーワードが発表された。選ばれたのは「たこ焼き器」「ジャーサラダ」「おにぎらず」「ココナッツオイル」「沼サン」「怪味ソース」「チアシード」「ちぎりぱん」「マシュマロ」「デトックスウオーター」。アヒージョも作れるなど新たな使い方が発表された「たこ焼き器」、四川省発祥でさまざまな味覚が交じり合った調味料の「怪味ソース」など、目新しいものが続々とラインアップされた。そんな中で大賞に選ばれたのは「おにぎらず」。ごはんを握る必要がない手軽さや、卵焼きなどおにぎりに入れにくい具も挟めることから、人気のメニューとなった。

スコップコロッケ
スコップコロッケ

 続いて、来年2016年にはやりそうなものを予測しようということで、クックパッドの編集者やブロガーなどが、推薦するキーワードをプレゼンテーション形式で紹介。
 ノミネートされたのは「焦がし○○」「ぎゅうぎゅう焼き」「スイーツキューブ」「ココナッツシュガー」「ラーメン献立」「スコップコロッケ」「マシュマロフォンダンクッキー」「ダッチベイビー」の8品。クックパッド内に公式ページを持つお笑いトリオ、ロバートの馬場裕之による、トッピングや調味料に最適という焦がしネギなどの「焦がし○○」の提案や、「ラーメン裁判」と題したプレゼンテーション動画で、夕ごはんにラーメンはアリ?ナシ?と来場者に問い掛けた「ラーメン献立」などが来場客の関心を集めていた。
 プレゼンテーションを受けて、どのメニューがはやりそうか来場者が投票したところ、最も多くの票を集めたのは「スコップコロッケ」。タネにパン粉を乗せ、上からオリーブオイルをかけてオーブントースターで焼くというもので、揚げない、丸めない、おしゃれという三つの利点を備えたメニューだった。

ラーメン献立
ラーメン献立

 一方、会場内にはそれぞれのキーワードに関連したブースが出店されていたが、人気を集めていたのが「ラーメン献立」。ラーメンは人気メニューでありながら、栄養バランスやどんぶり一つだけという見栄え、そして手抜きをしていると思われるのが心配という主婦の心理からか、夕食のレパートリーに取り入れる家庭はまだ少数派であり、夕食にラーメンを食べている人は3割(東洋水産調べ)というデータもある。そこで、手軽に作れて時短にもなるインスタント麺を、栄養バランスを整え手抜き感を排除するために、主菜、副菜と組み合わせ、献立として取り入れようというものだ。
 例えば、一般的に味が濃いといわれるラーメンだが、ヘルシーな薄味の野菜おかずと合わせるという献立なら、味覚も栄養もバランスが取れる。また、普段の献立でみそ汁などをおわん一杯分のラーメンに代えるだけでも汁物のバリエーションが広がり、さまざまな食材を楽しむこともできる。ラーメンと一緒に食べるのはいつも餃子やチャーハンだけではない、という新しいレパートリー提案だ。

 SNSが生活者に浸透し、スマートフォンやタブレットが普及する中、個人の拡散力が食のブームの拡張に大きな役割を担っている。今年は手軽でおいしくて見た目もきれい、そして斬新なメニューが人気を集めたが、2016年はどんな食のトレンドが生まれるだろうか。今から楽しみだ!