日常生活の移動手段として、大きな存在である自転車。幼少期の自転車遊びから始まり、小学校中学年にもなると自転車で出かけるようになり、高校生になれば、自転車で通学するケースも増える。日々の買い物や通勤、レジャーなど、幅広い年代の生活と密接な関係にある自転車。便利であると同時に、自転車を利用する中で、思いがけない重大な事故の被害者や加害者にもなりえる。
近年、自転車事故による高額賠償事例が全国で発生している。そういった背景もあり、自転車事故の際、被害者が治療や休業損害などの補償をしっかり受けられるように、また、賠償する側の加害者の経済的負担を軽減するために、「自転車保険」への加入を義務付ける自治体が増えている。
au損保が今月、自転車保険加入義務化から1年を迎えた京都府、埼玉県、金沢市で、条例の認知度アンケートを実施、各自治体在住の男女計310人から回答を得た。それによると、「自転車の利用者は、自転車事故に備えた保険に加入することが義務化されていることを知っていますか?」との問いに対して、「知っている」と答えた割合は、京都府が一番高くて80.0%、埼玉県で69.0%、金沢市で61.0%。認知度はある程度高まっているようにも思われる数字だ。一方で、「あなたは自転車事故による損害を補償する保険に入っていますか」との問いに対して「入っている」と答えたのは、京都府で54.8%、埼玉県で37.4%、金沢市で33.5%と、最も多い京都府でも半数を少し超える程度。金沢市と埼玉県では、4割に満たないという結果だった。
また、アンケートでは、自治体の条例では「未成年、高齢者に関わらず、自転車を利用する全員が自転車保険に加入するよう定められている」ことにも触れ、「自身を含めた家族全員が保険に加入していますか?」とも質問。これに対し、「家族全員入っている」と答えたのは、京都府で37.7%、埼玉県で24.8%、金沢市で18.1%と、さらに加入割合が低くなる結果となった。
2008年に東京地裁は、男子高校生が自転車で車道を斜めに横断、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突し、会社員に言語機能の喪失などの重大な障害が残ったとして、約9300万円の賠償を命じた。また、2013年には神戸地裁が、夜間に自転車で帰宅途中の男子小学生(11歳)が歩行中の女性(62歳)と正面衝突し、女性の意識が戻らない状態となったとして、約9500万円の賠償を命じている。高額賠償に至った事故は、決して人ごととは言えない状況下で発生している。
さまざまな自転車保険がある中で、au損保の自転車向け保険は、自転車の利用時に他人にけがをさせてしまったり、他人の車を傷つけてしまったりした際の個人賠償責任補償の限度を2億円以上に設定している。また、本人タイプ(月々360円)にプラス380円で、家族何人でも補償する「家族タイプ」の保険も用意されている。家族が多いほど1人当たりの保険料が得になるので、「家族が多くて費用がかかるから誰かが入りそびれている」というような状況も防げそうだ。
今回のアンケートで、「あなたは自身が入っている保険の補償内容を把握していますか」との問いに対し、「把握している」と答えたのは、京都府で65.9%、埼玉県で69%、金沢市で57.7%。加入したときはしっかり把握していても、細かい部分が把握しきれていなかったり、忘れてしまったりしている部分もあるかもしれない。どんなケースでどんな補償をしてもらえるか、補償内容を家族みんなで確認する機会を持つと、事故は日常生活と隣り合わせという意識が高まるきっかけになりそうだ。また自転車に乗る上でのマナーやルールについても、内閣府が呼びかける自転車運転の基本ルール「自転車安全利用五則」(※)などを参考に、新学期に向けて家族で話し合ってみてはいかがだろうか。
※自転車安全利用五則
■自転車は、車道が原則、歩道は例外
■車道は左側を通行
■歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
■安全ルールを守る
・飲酒運転、二人乗り、並進の禁止
・夜間はライトを点灯
・交差点での信号遵守と一時停止、安全確認
■子どもはヘルメットを着用
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au損害保険株式会社
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末やパソコンを通して「いつでも・どこでも・手軽に」利用できる損害保険会社として2011年に設立。
主軸商品である「自転車保険 Bycle」は昨今の自転車事故への備えの重要性や社会の関心の高まりに応えるべく、発売以来、積極的に商品・サービス内容のブラッシュアップを行い、2017年にネット申込ランキングで第1位を獲得した。(2017年1月1日~2017年12月31日保険市場調べ)