文明堂東京は3月5日、京都・伏見でガラスの仕切りがないライブキッチンを併設した「文明堂 伏見カステラ工房」をオープンした。できたてのカステラやどら焼きをキッチンからの音や香りを感じながら楽しめる、新スタイルの店となる。
文明堂東京は、長崎で文明堂を創業した兄からのれん分けした弟・宮﨑甚左衛門が東京で創業。京都への出店70年の節目となる今年、伏見にもともとあった店をリニューアルして開業した。

「お客様の目の前でお菓子が焼きあがるプロセスを見せ、安心を届ける実演は、創業者・宮﨑甚左衛門が提唱したもの。創業の原点に立ち返る意味もあるんです」(同社マーケティング部の磯貝歩美さん)。関東でも7店にキッチンがあるが、ガラスの仕切りを設けず、お菓子をつくる手元までが見える仕組みをつくったのは、伏見カステラ工房が初めてという。カウンターの高さは1メートルとし、小さな子どもにも職人の手元が見えることにもこだわった。
ライブキッチンでは、トレードマークのこぐまの焼き印が入ったカステラやどら焼き、こぐまをかたどったカステラサンド、伏見稲荷大社をモチーフにしたバターカステラなどを、熟練した職人が次々焼きあげていく。
長年受け継がれる伝統の熟成製法で作られる通常のカステラは、焼きあがりから1晩寝かせることで最もおいしい状態になる。一方で、カステラファンには「焼きたてを味わってみたい」という声も多く、文明堂東京は、砂糖の種類などを変えることでできあがったばかりのおいしさを実現した「釜出しカステラ」を開発した。ふわふわ、もちもちした食感に加え、やさしい甘みが特徴だ。

5日は開店直後から長蛇の列ができ、訪れた人たちは、包装紙ごしにまだ温かさが感じられるできたてのカステラやどら焼きを次々手に取った。目の前で、釜から出したカステラを切り分ける手つきや、鉄板でこんがりとどら焼きの生地が焼きあがる様子に見入り、「おいしかった」と、職人に感想を伝える家族連れも。ライブキッチン前のベンチや店の外側にあるテラスにはイートインスペースもあるので、ゆっくり過ごせる。
伏見カステラ工房では、キッチンでできあがる商品のほか、通常のカステラや季節の菓子、キャラクター入りの商品など約50種を販売しており、贈答品やお祝いの品定めもできる。菓子の香りに包まれながら好みの商品を選び、通常のカステラ、釜出しカステラを食べ比べるなど、カステラという菓子の持つ“深さ”を味わってみるのも面白そうだ。










