カルチャー

地獄と天国の想像図 世界中から集めた、人類の人気コンテンツ

『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』
『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』

 三途の川をいったん越えて戻ってきた、という話も聞くけれど、死後の世界は結局誰にも分からない。だからこそ、古代から死後の世界を描いたものは人々の関心をひきつけてきた。天国と地獄の奇抜な想像図は、人類最大の人気コンテンツだ。『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』(エドワード・ブルック=ヒッチング著、日経ナショナル ジオグラフィック刊)が発売された。

第1章 地獄と冥界
第1章 地獄と冥界

 死後はどこでどう遇され、何を準備すべきなのか。絶対に知ることのできない世界について、人類は想像力を最大限に働かせ、時に奇抜とも思える世界を表現してきた。善男善女が迎えられる至上の楽園、永遠の責め苦を受ける地獄、そのどちらでもない虚無の世界。キリスト教を中心とした西洋はもちろん、ユダヤ教やイスラム教、インドのヒンドゥー教、北欧神話、メソアメリカの神話、インドから東アジアの仏教、道教などを題材に、世界中の「天国と地獄」をめぐる一冊。地域が変われば、天国の様子も地獄の責め苦も変わるのが面白い。人類最大の空想を、美術や古物を豊富に掲載しつつ、博覧強記の著者がユーモアを交えて語っている。税込み3300円。