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大阪独自の日本画に関する史上初めての大規模展覧会 4月15日から企画展「大阪の日本画」

生田花朝《天神祭》1935年、大阪府立中之島図書館
生田花朝《天神祭》1935年頃、大阪府立中之島図書館

 大阪の日本画に関する史上初めての大規模展覧会が東京でも開かれる!

 大阪は近代において、商工業都市として大きな経済力を誇った。東京や京都とは異なる独自の文化圏を形成し、市民文化に支えられた近代大阪の美術は、江戸時代からの流れをくみつつも、伝統にとらわれない自由闊達(かったつ)な表現を花開かせた。

 経済力を背景として、高い教養をもつ富裕層らが美術品を求め、それに応えるかのように北野恒富、島成園といった画家たちが優れた作品を生み出していった。

 妖艶で退廃的な作風で人気を博し、「悪魔派」とやゆされた北野恒富(きたの・つねとみ)、大阪における女性画の先駆者で上村松園とも並び称された島成園(しま・せいえん)、大阪の文化をユーモラスに描いた菅楯彦(すが・たてひこ)、女性像にモダンな感覚を取り入れた中村貞以(なかむら・ていい)、新しい南画を主導した矢野橋村(やの・きょうそん)。

中村貞以《失題》1921年、大阪中之島美術館
中村貞以《失題》1921年、大阪中之島美術館

 彼らをはじめとする、明治から昭和に至る近代大阪で活躍した50名以上の才能あふれる画家たちが集結、華やかで洗練された大阪の近代日本画が約150点、紹介される。

 企画展「大阪の日本画」が4月15日(土)から6月11日(日)まで東京ステーションギャラリー(JR東京駅 丸の内北口 改札前)にて開催される。会期中に展示替えがある。開館時間は午前10時から午後6時まで(金曜日は午後8時まで)。入場は閉館30分前まで。休館日は月曜日(ただし5月1日と6月5日は開館)。

 入館料は一般1400円、高校・大学生1200円、中学生以下無料。電話は03-3212-2485。詳細は公式サイトで。

北野恒富《宝恵龍》1931年頃、大阪府立中之島図書館
北野恒富《宝恵龍》1931年頃、大阪府立中之島図書館

 音声ガイドナビゲーターには、大阪で生まれ育った上方の歌舞伎役者である片岡愛之助が就任し、大阪の日本画の数々を関西弁で案内する。
 「本展に登場する画家たちの中には、大阪での成功を目指して移り住んできた者も少なくありません。当時の大阪に暮らす人々がどのような画を求め、画家たちが大阪に惹きつけられたのはなぜなのか、大阪らしい作品が誕生した背景にも目を向けながら、その特色に迫ります」(東京ステーションギャラリー)。