中国や朝鮮、インドからイランにいたるまで、アジアの歴史は広くて深い。東京国立博物館では「博物館でアジアの旅 アジアのパーティー」を 9月26日~10月22日に開催する。美術・工芸・考古遺物を展示する「東洋館」を舞台に、さまざまな作品を館内随所に展示する。
みやびな人びとの詩会のひとときや音楽の集いを描いた作品、アジア各地のうたげに用いられた酒器や祭器、婚礼を祝う人びとの思いが込められた刺しゅうなど、「アジアのパーティー」にまつわるさまざまな作品が紹介される。
たとえば「加彩楽人(かさいがくじん)」。中国・唐時代(7~8世紀)のもので、たて琴や琵琶、太鼓を持って演奏する女性たちを表したやきものの人形で、死後の世界を豊かに過ごすために墓に納められたものだという。「山羊頭形リュトン(やぎがしらがたりゅとん)」は、イラン、ギーラーン地方、アケメネス朝時代(前6~前5世紀)のもの。リュトンとは、宴席には欠かせない、お酒を入れる酒器のこと。野生動物をかたどった酒器は、西アジアでは青銅器時代から定番で、山羊頭形リュトンはあごの下、動物形リュトンは両前足の先端に、それぞれ小さなあながあり、ワインなどの液体を注ぎ出す機能が備わっている。