映画『キリエのうた』完成報告イベントが11日、東京都内で行われ、出演者のアイナ・ジ・エンド、松村北斗(SixTONES)、黒木華、広瀬すず、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、北村有起哉、大塚愛、粗品と岩井俊二監督が登壇した。
本作は、歌うことでしか声を出せない住所不定の路上シンガー・キリエを中心に、別れと出会いを繰り返す4人の人生が交差する13年を描く物語。主人公・キリエを“楽器を持たないパンクバンド”BiSHとして活躍してきた異色のアーティスト、アイナが演じた。
6月29日のワンマンライブをもってBiSHを解散したばかりのアイナ。この日、観客の盛大な拍手に迎えられると「今日を迎えることができてすごく、すごくうれしいです」と緊張気味にあいさつした。
アイナはこれが映画初主演。「音楽大好きで、ロックンロール一辺倒みたいな人だった私を岩井さんが見つけて、拾ってくださった。本当に夢みたいだなと思ったけど、これを夢で終わらせちゃいけない。広瀬すずちゃんと松村北斗さんに、お芝居をリードしてもらって、なんとかやり遂げられたと思っています」と感謝を述べた。
岩井組初参加となった松村も「初めて映画は面白いものかもしれないと気付いたのが岩井さんの『リップヴァンウィンクルの花嫁』でした」と憧れの存在だったことを明かし、「日々の現場はとても刺激的で、僕の人生にとって、とんでもない思い出の一つとなりました」と喜びを語った。
同じく初参加した吉瀬は「最初は『なんで私に…?』とすごくドキドキしたけど、松村くんの母親役と聞いて、顔がやっぱり似ているのかなと。実はファンの方が親子役でやってほしいとリクエストしている書き込みを見たことがあって」とエピソードを語った。
岩井監督は「それも一因です。親子役のキャスティングではやはりDNAのつながりを意識するので」とこれを認め、さらにもう一組の親子を演じた奥菜、広瀬ペアについても同様の理由があったことを紹介。奥菜は「うれしい。私も1回だけ『広瀬すずちゃんに似てるね』と言われたことがあって」と笑顔で明かした。
会場では、アイナが主題歌の「キリエ・憐れみの讃歌」を生披露。広瀬は「アイナちゃんはお芝居も含め、周りの景色、温度など全部吸収して表現される方。現場のときとはまた違う声と魂を感じました」と感動を伝えた。
映画は10月13日から公開。