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パンダの子育てって面白い 10頭を出産した良浜の物語がコミックに

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 和歌山県・白浜のアドベンチャーワールドに暮らす良浜(らうひん)というメスのパンダは、10頭のジャイアントパンダを出産したお母さん。中国国外の飼育施設で世界一の繁殖実績を上げるアドベンチャーワールドの命の物語をコミックにした『パンダのミライ ―浜家・良浜 いのちの物語―』(遥那もより著、KADOKAWA)が発売された。〝日本一のパンダファミリー・浜家(はまけ)〟の物語だ。

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 たとえば良浜の6度目の出産の時。通常パンダの出生直後の体重は100~200gのところ、この赤ちゃんはわずか75g。通常の体温は37℃だが31℃しかなく危機的状況だった。体が小さすぎて自力で母乳が飲めず、スタッフは良浜の乳を絞って注射器に移し、一滴ずつ赤ちゃんの口に入れてあげたという。ただスタッフが赤ちゃんの面倒を見続けると、今度は良浜が赤ちゃんへの興味を失い、育児放棄のリスクが高まってしまう。

 あまり知られていないそんな良浜の子育てぶりをたっぷり紹介。赤ちゃんの体温が安定する生後1カ月くらいまでは、赤ちゃんを24時間抱っこして温めたり、授乳をするとエサをもらえるため、授乳中にスタッフへ視線を向け「がんばってます」とアピールしたり。パンダの繁殖に尽力するスタッフの苦労や工夫も描かれている。

 パンダ好きはもちろん、そうでなくても彼らの子育ての様子に引き込まれるエピソード満載だ。税込み1320円。