歴史に育まれた伝統や文化が今も息づき、雄大なパノラマが広がる熊本県・阿蘇地域。その奥深い山間地に位置する黒川温泉郷は、30軒の宿と里山の風景すべてを“一つの旅館”ととらえる「黒川温泉一旅館」のコンセプトの下、各宿が持つ露天風呂を自由に巡る「入湯手形」の仕組みを採用している。年間約90万人が訪れるこの温泉街は、12月21日(土)から2025年3月31日(月)の期間、竹の灯籠による“湯あかり”で照らされる。また、12月20日(金)~26日(木)の期間限定で、温泉街一帯の店舗や空間を活用して100個の赤ちょうちんをぶら下げ、10店舗の飲食店などが出店する「湯あかり横丁」を開催する。主催は黒川温泉観光旅館協同組合(熊本県南小国町)。
2012年の冬から始まり、今年で13回目を迎える「湯あかり」ライトアップ。球体状の「鞠灯篭(まりとうろう)」約300個と、筒状で高さ2メートルの「筒灯篭」を自然の景観に溶け込むように配置して、17時30分から21時30分まで明かりをともす。
湯あかりのシンボル「鞠灯篭」は、9つの竹ひごを束ねて作った球体のかご。現在、日本各地で問題となっている「竹害」の問題を黒川温泉も抱えており、環境維持のため竹林の間伐(かんばつ=間引くこと)、再生に取り組んでいる。間伐した竹を「湯あかり」イベントに活用し、イベントを通じて得た利益は、活動維持に循環させていく。
「湯あかり横丁」は、温泉公園と川端通りで17時30分~21時30分まで営業。焼酎などを青竹の筒に入れ、いろりやたき火で温めて飲む「かっぽ酒」や甘酒が振る舞われ、うなぎの串焼きやおにぎり、ジビエの串物やバーガーなども味わえる。また、韓国屋台・米粉たこ焼き・ギョーザ・キューバサンド・ジャージミルクぜんざいなどの「日帰りキッチンカー」が登場する。