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宮城県が「みやぎアンバサダーサミット」を開催 11カ国・地域の駐日大使・代表らを迎え、人的交流と経済協力強化の覚書を締結

国宝の瑞巌寺本堂で、メッセージを発出する村井知事と各国・地域の駐日大使ら

 宮城県は1月23日~25日の3日間、インド・韓国・ベトナム・クウェート・カンボジア・インドネシア・オーストラリア・フランス・ドイツ・イタリア・台湾の11カ国・地域の駐日大使と代表らを迎え、「みやぎアンバサダーサミット」を開催した。

 国土交通省東北運輸局によると、東北6県の2024年1~9月までの外国人延べ宿泊者数は157万6000人で、9カ月で2023年1年間の合計を上回り順調に推移している。一方で、2024年9月に外国人が東北に宿泊した割合は全国シェア1.2%にとどまり、東北への外国人観光客の誘客が課題となっている。今回のサミットでは、東日本大震災の被害に対する各国・地域からの支援への感謝を改めて伝えるとともに、宮城県の投資環境や物産品などの魅力と可能性を効果的に発信。宮城県への誘客促進や外国人材の受け入れなどに向けた人的交流・経済交流の活性化を図ることを目的に開催された。

 23日にホテル松島大観荘(宮城県松島町)で行われたオープニングセレモニーでは、11カ国・地域の各国大使・代表らからのスピーチに続き、達増拓也岩手県知事と内堀雅雄福島県知事によるビデオメッセージを披露。紺野純一東北観光推進機構理事長からは東北の観光・物産PRプレゼンテーション、仙台育英学園高等学校(仙台市)の書道部による書道パフォーマンスも行われた。

仙台育英学園高等学校 書道部によるパフォーマンス

 続いて、宮城県松島町の国宝・瑞巌寺本堂で行った「みやぎアンバサダーサミット松島宣言」では村井嘉浩宮城県知事が、岩手・宮城・福島の3県を代表してメッセージを述べた。村井知事はメッセージの中で、各国による東日本大震災の被害に対する支援への感謝を表明。未来を見据えた「創造的復興」、防災・減災への取り組みに触れた。また、今回のサミットを契機に各国・地域と連携しながらさらなる挑戦を目指していくと決意を述べた。

 その後、仙台市内で、サミット参加国・地域による「覚書締結式」を開催。ベトナムと、「在日本ベトナム社会主義共和国大使館と宮城県における観光分野、投資環境・輸出入分野及び人材交流分野に関する協力覚書」を交わし、ツーウェイツーリズムの拡大や高度電子機械産業分野等における産産間・産学官の連携機会創出、輸出入拡大を目指す新たな枠組みを確立した。

宮城県はベトナム大使館と協力覚書を締結した

 2日目は、宮城県の外国人材確保に関する取り組みの紹介を行う外国人材セミナーや、国際投資セミナーを開催。創建1300年を迎えた国の特別史跡「多賀城跡」や、震災遺構の仙台市立荒浜小学校、東北大の次世代放射光施設ナノテラスへの視察も行った。3日目は、宮城・山形両県にまたがる蔵王連峰の樹氷や、宮城県蔵王町のこけし館の見学会を行った。