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災害時に子どもを支えるためにできること 最前線から見たリアルな声

 地震や豪雨などさまざまな災害の被災地で、被災者が直面する問題の幅は想像を超える。たとえば子どもたちが直面する困難には、当然大人の支援とはまた異なる対応が必要だ。全国各地の豪雨災害や能登半島地震などの被災地での活動経験をもとに執筆した『現場発 災害時に子どもを支える 〜私に、あなたにできること〜』(伊藤駿・中丸和著、岩波書店、税込み748円)が発売された。

 著者は、日本教育再興連盟(東京)の「災害と教育事業部」を統括する理事。これまで多くの被災地で、災害発生直後から子どもの居場所支援活動に取り組んできた二人が、若手研究者としての視点から、子どもが支援の死角に落ち込まないようにするための実践例や課題を具体的に紹介している。特に被災地の子どもたちが直面する困難や、学校・教育委員会が抱える課題に焦点を当て、災害が起こった後の子ども支援の現場で、学校、行政、そして個人に何ができるのかを事例とともに問いかけている。