
カナダ国内で2014年~2022年にかけて実施された研究・発表プロジェクト「Landscapes of Injustice(不正義の風景)」を基に、2020年にカナダ日系文化センター・博物館が企画制作した、展示「Broken Promises(破られた約束)」。横浜市のJICA横浜 海外移住資料館で、12月7日(日)まで展示されている。入館無料。
JICA横浜によると、第二次世界大戦中は、アメリカ合衆国でも日系人の強制立ち退きおよび収容が行われたが、カナダではそれに加え、政府が日系人の財産の強制的な没収と売却を主導した。それらは、なぜ、どのように行われたのか――。展示では、カナダ日本人移民の始まりから、第二次世界大戦に至るまでの、日系人に対する差別意識の高まりと排日運動の激化、戦時下の差別政策について解説を加え、7人の登場人物を中心に当事者たちの体験を伝える。
企画展の関連イベントとして10月18日(土)に、公開講座「第二次世界大戦後日本に『送還』された日系カナダ人 ―戦後の歩みを語る―」を開催する。時間は14時~15時30分(13時30分開場)。講師は、バンクーバー生まれの日系カナダ人で、Japanese-Canadian Stories from Japan編著者の中山信子・レナ氏。司会は、津田塾大学理事・名誉教授の飯野正子氏。開催場所は、JICA横浜 1階の会議室。予約不要、無料で参加できる。
第二次世界大戦中・直後のカナダ政府の政策によって、約4000人の日系カナダ人(カナダ生まれの二世も含まれる)が日本に「送還」された。戦後の荒廃した日本で苦しい生活を余儀なくされた彼らの現実は、あまり知られていない。日本に「送還」された人々は、すでに90歳代となり、自身の経験を伝える機会が少なくなっている。今回の公開講座では、戦後、日本に「送還」された中山信子・レナさんの貴重な証言から、日系カナダ人の歴史や日本とカナダの関係について考える。
JICA横浜の開館時間は10時~18時(最終入館は17時30分まで)。月曜休館(祝祭日と重なる場合は翌日)。