いのち輝く未来社会のデザインを掲げる大阪・関西万博。テーマウィーク「地球の未来と生物多様性」の期間中の9月21日、そのテーマウィークスタジオで未来への大切な提言が行われました。
「子どもたちと紡ぐ水と空気〜万博から未来へ〜」に集まったのは、この1年、環境問題と向き合ってきた小学4年生から中学2年生の小さな研究員たちです。2024年8月から行われてきたフィールドワークやグループワークの集大成として開催されました。
水テーマでは、フカフカな土を作るロボット、学校の授業に「環境」を導入する、節水したくなるアプリなどが、空気テーマでは、熱すると水になる空気、気持ちが穏やかになる空気、動物・植物を会話ができる空気などが提言されました。子どもたちの提言には、大人の専門家から真剣なアドバイスが寄せられました。
奥大山の天然水の森でのフィールドワークにも参加し、提言にコメントをした鳥取大学名誉教授の日置佳之先生は、今回の取り組みについてこう振り返りました。
「大変自由な発想でした。科学的・現実的に考えると難しいものも含まれていましたが、それを実現できる方向に考えたり、空気や水の役割を、子どもたちの発表を通じて大人たちが改めて認識した面もありました。
一番は水と空気は当たり前、タダというのが全然違います。人間活動が水と空気を壊している。それが地球環境問題。そのことを子どもたちがかなり深く考えることができました。今回の子どもたちが大人になる過程で、この問題をどう解決していくかを真剣に考えていく。そういう人材が育つことが、回り道のようだけれど一番の解決だと思います。
万博がなければ、このような機会もなかった。万博は一過性のものと考えられがちですが、万博を契機に世の中が変わることがある。特に若い子どもたちが主体で研究したことで、未来につながると考えています。」
この取り組みの主催企業の一つであるサントリーのサステナビリティ経営推進本部の越野多門さんはこう感想を述べました。
「サントリーとダイキン工業の両社で、万博のレガシーになるものを考えようということで、サントリーは“水と生きる”、ダイキン工業も“空気で答えを出す会社”ということで、水と空気が未来も持続的に続いていくことを考えるプログラムを次世代の子どもたちと一緒に考えてみたいねという話からスタートしました。
実際に鳥取奥大山の天然水の森に入って、今の森の現状をリアルで見てもらったり、ダイキン工業のアレス青谷でも空気を考えるプログラムを自ら調べて体験してもらったことが、意味がある活動だったと思っています。
サントリーは水がないと企業活動自体が成り立たない会社。次世代の人と一緒に、そういう取り組みをしていくことが大事だと思っていました。自分がリアルに感じることを大事に、これからも取り組んでいきたいと思います。」
「水と空気は世界中の命をつないでいます。未来のために学び、考え、ここ大阪関西万博で伝えることができました。そして、これからも世界の人々と力を合わせて、いのち輝く未来をつくるために行動することをここに宣言します」――プログラムを終えて、小さな研究員たちが未来に向けて、力強く宣言しました。









