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京瓦の老舗が四条通に初のアンテナショップ 鍾馗像や鬼面などに加え、“暮らしの中の京瓦”も提案

 ちょっと変わったインテリアをお探しなら京瓦というのはどうだろうか。

 明治44年創業の京瓦窯元・浅田製瓦工場(運営:株式会社京都商事・京都市)が、2025年12月1日、京都・四条通にアンテナショップ「京都伝統屋」(京都市下京区御旅町19 ダイエー第5ビル1F)をオープンした。

 南禅寺や東福寺など、京都の社寺や町家の屋根を支えてきた現存する唯一の京瓦窯元が、一般向けの常設店舗を構えるのは今回が初めて。屋根の上で人々の暮らしを見守ってきた瓦の造形美を、実際に手に取って、その場で購入できる場として注目を集めている。

 店内には、魔除けとして据えられてきた鍾馗(しょうき)像や鬼瓦、家紋瓦など、京瓦の伝統技術を生かした多彩な作品が並ぶ。鍾馗像は一体ずつ表情や造形が異なり、職人の手仕事の深みを感じられる逸品。家紋瓦は代々受け継がれてきた紋を瓦に写し取る格式ある意匠で、住まいや家族の歴史を象徴する特別な一枚として人気が高い。さらに、屋根瓦の鬼面を室内向けに仕立てた壁掛け作品も展示され、空間に静かな迫力を添えるアートピースとして提案されている。

 また、同工場が近年力を入れる「京瓦×食」の取り組みとして、金釉薬を用いた板皿や抹茶碗などの器類も販売。瓦の技法と陶芸の技を融合させた独自の表現が特徴で、食卓に新たな質感をもたらすプロダクトとして注目されている。今後は「京瓦×暮らし」をテーマに、インテリアアイテムなど生活空間に取り入れやすい商品を順次拡充する方針だ。

 京都の町並みを支えてきた京瓦の文化を“見る・感じる・迎える”場所として誕生した同店。地元住民はもちろん、観光客にとっても、伝統工芸を日常の中で楽しむ新たなきっかけとなりそうだ。