社会のさまざまな分野で人工知能(AI)の活用が加速する中、大手コンサルのEY ストラテジー・アンド・コンサルティング(東京都千代田区、EYSC)はこのほど、企業活動に影響を与えると考えられるAIの最新動向をまとめた冊子「EY Next in Tech 2026」を発表した。26年は「これまで人手に頼らざるを得なかった“実行”の領域をAIが担い始める」“フィジカルAI”元年になる、などと分析している。
EYSCは1月28日、東京都内で同冊子の記者向け説明会を開き、冊子執筆者の1人で全体を監修したEYSCデジタル・エンジニアリング・ディレクターの城田真琴さんが、主な内容を解説した。
城田さんは、生成AIという頭脳が「身体」を獲得するフィジカルAIは26年、これまでの実験レベルから「社会実装」へ大きくかじを切ると述べ、従来のロボットとフィジカルAIの違いを「自動化と自律化の違い」と説明。事前プログラムで自動化された作業を高速・高精度に繰り返すのが従来型ロボット(製造ラインの溶接ロボットなど)であるのに対し、自律走行ロボットをはじめとしたフィジカルAIは状況を認識・判断し、自律的に行動を決定・実行できる点が異なると指摘した。
例えば、従来型の自動化ロボットでは難しかった、変種変量生産を可能とする柔軟な製造・組み立てや、不規則な商品・荷物のピッキングなどの分野では自律化したフィジカルAIが活用されるとした。米ジョージア州の自動車工場では28年から部品仕分け・組み立て作業を自律走行ロボットが担当する予定という。

そのほか城田さんは、25年以降、ウェブ空間は人間が操作する空間から「AIエージェントが操作する空間」に向かっているとして、検索や閲覧、クリック、入力、認証、予約などのウェブ空間での操作を「人間同様にAIが行う」構造への転換に着目する必要性を強調した。旅行業界の一部ではすでに「AIに選ばれやすい」AI向けに設計した予約システムに変える動きが出ているという。
EYSCでは27年度以降も冊子の発行を予定しているという。EY Next in Tech 2026の詳細はEYSCホームページで。









