悪気はなくても、無意識に放った言葉が相手を傷つけてしまうことは少なくない。もっとも性差によるさまざまな偏見や先入観からくる要注意な言動というのは、ずいぶん改善されてきたかもしれない。「2023年 言動の偏見と意識調査」(ライボ・東京)によると、実際8割の人がその手の話題や言動に気をつけているようだ。
全国の20~50代の784人に9月27日~10月2日に調査を実施。性別による無意識の思い込みを表す「アンコンシャス・バイアス」についてたずねた。たとえば職場で結婚や育児、恋人に関する先入観や偏見に気をつけているという人は79.1%。具体的に気をつけている話題としては「既婚・未婚について」が50.8%で最多、次いで「出産の予定」(45.3%)、「子供の有無」(43.7%)などが上位だ。
逆に職場でその手の言動を受けた経験のある人も407人で、78.1%がその言動にストレスを感じていた。「意見を押し付けられている気分になる」「否定されている気分になる」「比較されている気分になる」「自分のペースを乱されると感じる」などが理由だ。
内閣府の調査では、「アンコンシャス・バイアス」という言葉の認知度は21.4%だというが、個人的な事情については本人が自ら話題にする場合を除いて、質問したり話題にしたりしない方がいい、という認識はだいぶ共有されてきたのかもしれない。