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「鎌倉殿の13人」小栗旬「義時は最後の最後まで孤独を感じながら生きていかざるを得なかった」主人公・北条義時の衝撃の最期をキャストの言葉から振り返る。

「鎌倉殿の13人」小栗旬「義時は最後の最後まで孤独を感じながら生きていかざるを得なかった」主人公・北条義時の衝撃の最期をキャストの言葉から振り返る。 画像1

 そして父・義時の思いを受け継ぐことになった北条泰時役の坂口健太郎は、描かれていないその未来について「泰時はこれからつくる世の中で、義時とはまた違った苦労をするだろうなという気はしています」と語り、さらにこんな言葉を続けた。

 「やっぱり泰時が言っていることってどこか理想なんですよね。でも義時がやってきたことっていろんな現実が含まれていて。(中略)そこに自分じゃない誰かがいた瞬間にその理想というのはとても難しくなっていくと思います。」

 とはいえ、その未来を悲観しているわけではないらしい。「でも僕は泰時が苦しみながらこれから先、何か決断を下したり、分かれ道をどっちかと考えたりする姿というのは何となく想像ができる気がして。それはきっと義時という存在が自分の中ですごく大きなものがあるから、だからこそじゃあ泰時ならどうするんだろうというのは、たぶん、一個すでに泰時の中にあるんですよね。だからこそ考えやすくもあるし、それによってこれから泰時はこういう瞬間瞬間を思い出して成長していくんだろうなという感覚はあります」

 こう語る坂口の言葉からは、ぶつかり合ってきた父・義時から学んだことが泰時の支えになっている様子が伺えた。

 こうして最期を迎えた義時について小栗は、「今回のこの『鎌倉殿の13人』という物語の中での北条義時という人間は、かわいそうな男だったなと」と振り返り、その生涯をこんなふうに総括した。

 「かわいそうというか、そういう選択をせざるをえなくなってきてしまって、ここまでたどり着いてしまった。だから最後の最後まで孤独を感じながら生きていかざるをえなかったのかなというふうに感じますけどね」

 義時の生涯を1年にわたって見届けた視聴者の皆さんは、果たしてその最期をどんなふうに受け止めたのだろうか。

(井上健一)

北条泰時役の坂口健太郎 (C)NHK