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「鎌倉殿の13人」柿澤勇人、源実朝役を振り返る 「だんだんと顔がやつれていって、体重も落ちていきました」

 NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。11月27日に放送された第45回「八幡宮の階段」では、鎌倉幕府3代将軍・源実朝が、おいの公暁(寛一郎)に討たれて悲劇的な最期を迎えた。これに関して、ここまで実朝を演じてきた柿澤勇人がコメントを発表し、その最期を振り返った。

  まず、柿澤は「実朝は今まで鎌倉殿・3代将軍として生きてきて、大変なことがいっぱいありつつも、一生懸命、果敢に取り組んで、政(まつりごと)にもちゃんと向き合ってきました」とその生きざまを称えた。

 その上で、最期の時を迎えた際、実朝の胸に去来した複雑な思いを、次のように語った。

 「うまくいかなかったりとか、悩んでいたり、苦しんでいたりしたものも、最期にはある意味、全てを受け入れて。政以外にもおばば(歩き巫女/大竹しのぶ)に言われていたこととか、そういったものが、あの一瞬のうちに一気に走馬灯のように頭の中を駆け巡り、全てを理解したというか」

 そして、「『これで天に行けるんだ』じゃないけれど、『父(頼朝/大泉洋)や兄(頼家/金子大地)のところに行けるんだ』みたいな思いはありました」と語った。

 ここまで演じてきた実朝の人物像については、「生まれた環境や時代がもし違っていたら、ものすごくいい将軍だったと思うし、将軍であること以前に、ものすごくピュアで真っすぐないい人」と語った。

 続けて、「現代にも通じると思うんですけど、『こういう人が本当に生きていたらいいな』と思うような心の持ち主だったのかなと思います」と評価した。

 その上で、悲劇的な結末を迎えたその人生ついては、「ただ、残念なことに、この鎌倉の時代に生まれてきて、環境がたまたまそういった激動の陰惨な環境だったりもするので、そこがやっぱり悲劇というか、とてもかわいそうな人生だったなと思います」と同情を寄せた。

 一方、実朝を演じた自身の役者としての経験については、「芝居をやっていて苦しいとかしんどいなというのはかなり多かったし、実際、撮影を経ていくと、だんだんと顔がやつれていって、体重も落ちていきました」と振り返った。

 とはいえ、それはつらいだけの時間ではなかったようで、「それは自分でも如実に分かっていて、でもそれは役者としては本当にありがたいことで」と前置きした上で、「すごく矛盾しているかもしれないですけど、その実朝の苦悩みたいなものが、役者としてはすごく幸運なことだったというのは、最期のシーンを経て思いました」と言葉を結んだ。