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【週末映画コラム】9割のネオンが姿を消した香港を舞台にした『燈火(ネオン)は消えず』/前作にも増してスケールアップした『アクアマン/失われた王国』

『アクアマン/失われた王国』(1月12日公開)

(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM & (C)DC

 はるか昔、南極の氷河の奥深くに封印された「失われた王国」。そこには、世界を滅亡させるほどの力を持つ伝説の古代兵器ブラック・トライデントがあった。ある日、アクアマン(ジェイソン・モモア)への復讐(ふくしゅう)を誓うブラックマンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)がブラック・トライデントを見つけ出し、邪悪な力が解き放たれてしまう。

 5億もの海の生物を操ることのできる海底アトランティスの王アクアマンは、かつてない脅威から海と地上の世界を守るため、仲間たちと共に立ち上がるが…。

 DCコミックスのヒーロー映画『アクアマン』(18)の続編。アクアマンの弟で前王オーム役のパトリック・ウィルソン、母アトランナ役のニコール・キッドマン、アトランティスの女王メラ役のアンバー・ハードら、前作のメンバーが集結。前作に続いてジェームズ・ワン監督がメガホンを取った。

 見どころは緑と青が目立つ海底都市のビジュアル。前作にも増してスケールアップをし、アクションシーンにも激しいものがある。『イージー・ライダー』(69)の挿入歌としても有名なステッペンウルフの「ワイルドで行こう!」が、アクアマンのテーマソング的に使われているのも面白い。

 ただ、こうした映画の常だが、前作の印象がおぼろげになっていて、キャラクター同士のつながりや設定を思い出そうとするうちに話がどんどんと進んでいくので、落ち着かないところがある。この手の映画を見る時は、事前に関連作を見ることが必須だとすれば、それはいかがなものかという気がする。

(田中雄二)